【Q:K】完璧すぎる彼女はｰ4【all】 (ページ41)

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焦らなくていいページ41

河村side

静かな執務室。そこに響いているのは、キーボードを弾くタイピングの音だけだ。時おり聞こえてくるのは撮影している伊沢達の笑い声ぐらいで、楽しそうだなぁ、なんて考えながら目の前の仕事に集中する。最も、かれこれもう4時間ぐらいはにらめっこしてる状態なんだけど。
一向に進まない。なんと言えばいいのだろう、企画が思い浮かばない訳ではないのだが、動画的に視聴者を面白いと言わせられるような内容が完成しないのだ。どうすれば面白くなるのか、僕には全く分からない。こういう時いつも感じるのは、福良の企画力が本当に素晴らしいんだなということ。僕では思いつかないようなルールや罰ゲームを考え、視聴者を毎度楽しませている。あいつはプロデューサーの鏡だ。

河村「ふぅ....」

そんなことがあり、僕の心には余裕がなかった。この会社も伊沢や他のメンバー達の活躍でどんどん注目を浴びて、周囲から求められる内容もより高くする必要が起きてきて。ありがたいのだが、僕にとってはそれが、プレッシャーでもあった。伊沢達と比べれば、なんてことないけど。
僕はメンバーのようにテレビ出演している訳ではないし、動画の方も体調を崩しがちであまり出ていない。ただでさえ任せていることが多いのに、企画まで出来ないとなれば、僕がこのオフィスにいる意味がない。ましてや、福良以外も企画書を出している訳だ。僕の仕事は、僕じゃなくても、誰だって出来る。

全く進んでいない真っ白な画面をジッと見つめ、指を必死に動かそうとした。考えようとしているのに、脳は全然機能してくれなくて。この状況に今、すごくイライラしている自分がいる。こんなにも思い浮かばない、こんなにも捗らない。技術が足りないのだ。もっと頑張らないと、そう思う度、指は益々動かなくなっていく。

河村「はぁ....」

無理だ、集中なんて出来ない。撮影だって分かってるけど、みんなの声が煩くて仕方ない。勝手な理由だ。自分が出来ないからって勝手に塞ぎこんで、勝手にイライラして。喜ばしいことなのに、みんなの活躍にプレッシャーを感じて、みんなの企画力に嫉妬して。自分でも、何がしたいのか。全然分からなかった。

企画が全然思い浮かばなくて、周囲の活躍を目の当たりにして、出来ないことにまた落ち込んで。

完全に、負のスパイラル。