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俺からすれば、こいつの方が子供みたいだ。小さいし軽いし、こう頭に手を乗せると怒るし。でも、実際はこいつの方が頭良いし、顔も性格も体型も良い。クイズも強いと思う。社長としてみんなを纏める能力も高いだろう。
だが、故に出来ないことだってある。俺はまわりから東大最強のクイズ王と言われている為、多少理不尽な問題でも答えられないといけない。でもそんな風に扱われ始めたのはつい最近のことで、産まれた時から常に完璧を求められてきた桜舞に比べると、大したことはないだろう。
彼女は、小さい頃から重圧に耐えて生きてきた。誰も頼ることなく、全てを一人で解決し、難しい要望にも完璧に応えてきた。``休む´´ということを知らず、無理をして倒れようと仕事はこなす。俺より仕事人間だ。
俺としては休んでほしいんだが、全く聞き入れようとしないだろう。CEOの意見を聞かないというのは納得のいかない気はするけど、まぁ良いや。
『いつまで子供扱いするんですか』
伊沢「んー？俺より身長伸びたらな」
『無理に決まってるでしょ』
伊沢「....なぁ桜舞」
『何回目ですか』
伊沢「なんかあったら絶対言えよ」
『なんか、とは？』
伊沢「何でもいいから、返事」
『....はい』
伊沢「うし！じゃあ帰るか」
『牛がいましたね』
伊沢「余計なこと言わなかったら可愛いのに」
『それは伊沢さんもです』
桜舞の髪をぐしゃっと崩し、軽く整えて撫でる。本当に感情が出るようになってきた彼女は拗ねているような表情を見せ、微笑んだ。それを見て俺も笑顔になる。こいつの笑顔にはまわりを笑顔にする能力でもあるんじゃね？
こんなに小さな身体に、一体どれだけの事情を抱えているのか。家柄の関係で人に言えないことは多いだろう。頼ることも出来ず、抱えたまま爆発させる可能性だってある。現に須貝さんは色んな話を聞いたらしいし。だから、重い未来を背負う後輩の手助けが出来ればいいと思う。
帰りに見えた橙色に照らす夕陽が、眩しかった。
この時に桜舞が見せた笑顔の意味を履き違えずに彼女の違和感を追求し、気づいていれば....いや、CEOとして、俺が気づくべきだったんだ。
後悔しても、もう遅い。
・
誕生日感....皆無！見逃して下さい....
僕の大好きなCEO。これからもクイズを大切に、楽しんでいってほしいですね。
伊沢さんHappyBirthday！
26歳おめでとう！
あと、多分シリーズ4で終わりません。
もう少しお付き合い下さい....
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