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そちらに目を向けることはなく、ただ静かに片づけを進めていく。
『....福良さん』
ふと、彼女が口を開いた。
福良「なぁに？」
『いつも....ありがとう、ございます』
福良「....ううん。こちらこそ、だね」
『また作りますね、あのケーキ』
必ず、と言った彼女の顔が少し寂しそうだったのは、気の所為だったんだろうか。
福良「うん、また作ってね」
『気に入ってくれたんですか？』
福良「ははっ、知らなかったとはいえ、あんなに野菜を美味しいと思ったのは初めてだよ笑」
『それは良かったです』
福良「桜舞ちゃんは食べなくて良かったの？」
『僕は野菜嫌いなので。味見してませんし』
福良「えぇ....あり得ないだろうけどさ、美味しくなかったらどうするつもりだったの笑？」
『東大からお越しのガヤ芸人の皆さんに』
福良「ははっ、みんな喜ぶだろうなぁ」
ありがとう
頭を撫でると、少し頬を赤らめて俯いた。照れてるのかな？まぁ、そんなところも可愛いけどね。
俺にとって、人生で一番の母の日になりました笑
でもこの時、桜舞ちゃんから漂ってきていた苦い香りの違和感に気づいていれば、なんて。今さら思っても無駄なんだよね。
おまけ
川上「A、あの時居らんかったのってケーキ食べさせられると思ったからなん？」
『何で？』
河村「僕がそう思ったんです」
山本「だから態と福良さんが来るギリッギリの時間に出ていったんですよね、Aさん！」
『だって食べたくなかったし』
伊沢「福良さんには食べさせたのにぃ〜？」
こう「好き嫌いはダメですよー！」
『嫌なものは嫌なんです』
福良「はいはい、桜舞ちゃん虐めないの」
伊沢「げっ！お母さんが来た〜！」
河村「逃げろ〜！」
川上「わー」
『拓朗そんなキャラじゃないでしょ』
福良「3人共、あとで俺のところ来てね？」
山こ「「怖....」」
須貝「うん、騒がしいな笑」
『いつものことです』
福良「あ、伊沢。キッチン出禁ね」
伊沢「何で!?プロテイン飲めなくなるじゃん！」
川上「ふくらし粉で爆発でしょ笑」
山本「あれは伊沢さんが悪いです」
伊沢「え〜、母の日祝ったんだから許してよ」
福良「母の日なんだから言うこと聞いて」
こう「言い返せないね笑」
須貝「伊沢、ドンマイ」
伊沢「プロテイン〜！」
『改めて、福良さん。いつもありがとう』
福良「ははっ、こちらこそ笑」
・
長いね、長い。そして遅い。
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