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彼女と出会って数年が経ったが、最近ようやく感情が分かるようになってきた。前までは難しかったけど、仕草や立ち振る舞いでなんとなく。
目立つ変化はない。でも、微かな表情筋の緩み、立ち方の微妙なズレ(？)とか色々。それでもまだ分からないことは多いから、一度見るだけで変化に気づける川上はすごいと思う。
あ、因みに今は川上に対して怒ってるかな。
『何で連れてきたの』
川上「そんな照れんでも」
『照れてない。片づけ終わってないんだよ』
川上「それは生地爆発させて汚したままにしてる伊沢さんに任せよ。Aが作ったケーキの感想聞きたくないん？福良さん、喜んでくれてたで」
お、ちょっと目が泳いだ。動揺してるな〜。何で動揺したのかは分からないが、桜舞ちゃんは逃げようとしなくなった。やっぱり、川上はすごい。
『....本当ですか』
今は、不安そうな顔。
福良「うん。桜舞ちゃんが作ったのも、山本達が作ったのも、すごく美味しかった。ありがとね」
『....それは、良かったです』
あ、口許が微かに緩んだ。嬉しいみたい。
伊沢「え？桜舞照れてる？」
『うるさいです』
須貝「Aちゃんは川上に似てきたな」
『そうですかね？』
山本「打ち解けてきたってことですよきっと笑」
こう「確かに笑 川上さん同様丸くなったよね」
川上「こうちゃん何か言った？」
こう「い、いえ！何も！」
こうちゃん、怒ってるのは川上だけじゃないよ。多分後ろにいる彼女も....仕事増やされるんだろうな〜。ドンマイこうちゃん、頑張ってね♪
不意に、この騒ぎの中で今までずっと黙っていた河村が椅子から立ち上がって、桜舞ちゃんの下へ歩いていく。そして彼女に何か耳打ちをした。桜舞ちゃんは机を見て何かに気づいたようだった。不思議に思っていると、2人は俺の方へ。
福良「どうしたの？」
『福良さん、あのケーキ全部食べたんですか』
福良「うん、2つともすごく美味しかったから、半分ぐらい俺が食べたよ。それがどうかした？」
河村「何も違和感なかった？」
福良「うん特に。普通に美味しかったよ」
一体何なのか。まわりを見渡せばみんなにやにやしてるし、その原因が俺は全く分かっていない。首を傾げていると、伊沢が口を開いた。
伊沢「福良さんが食べてたあのケーキの中身さ、あれ全体的に野菜で出来てるんだよ」
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福良「....えっ!?嘘!!?」
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