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次に目が覚めると、室内は照明が消えて暗くなっていた。一番最後に寝たのは俺な訳だが消した覚えはない。寝起きでまだ働かない脳を覚醒させる為にゆっくり体を起こした。
周囲を見渡せば、伊沢さん達はまだみんな寝ていて、俺には毛布が掛けられている。そしてソファに寝かせたあいつの姿はなかった。しかも部屋は綺麗に片づけられているし、食器類も全て洗われて、ゴミも纏められていた。
おそらく、一人で全部やったんだろう。
川上「だいぶ荒れてたと思うんやけど....」
そんな面影は全くなく、寧ろ前より綺麗になってるんじゃないかっていうぐらい綺麗。流石と言うべきか、やり過ぎと言うべきか。どちらにせよ、本当に申し訳ないことをした。やっぱ昨日やっとけば良かったかな....
その後、ぼーっと座っていればガチャ、とドアが開く音が聞こえて。向かってみると大きなコンビニ袋を持ったAがいた。
川上「お帰り」
『ぁ、拓朗。顔色良くないな、気持ち悪い？』
Aは靴を脱いで俺の下へ駆け寄ってきた。質問に対して大丈夫と返し、彼女の手にあった袋を受け取る。中には水やらパンやらが入っていた。
『片づけた感じで結構な量を飲んだのは分かったから水と、冷蔵庫の中身殆ど入ってなかったから朝ごはんもある。好きなの食べて』
川上「ん、さんきゅ。これも、片づけも」
『別に。僕の為だったんだから、当たり前』
そう言ってAは執務室に入り、寝ている人達から落ちていた毛布を掛け直して出る。着いていくと撮影部屋のソファでパソコンを開いていた。横には自分の会社のものであろう書類が山積み。多分、起きてからずっとここで仕事していたんだろう。これじゃ何の為に飲み会を開いたんだか。
川上「....昨日のこと覚えてる？」
『全く。酔いやすいって言ったでしょ』
タイピングを続けながら言う彼女。ただ昨日より落ち着いて見えるし、苛立ってもいなそうだ。少しでも休めたなら良いんだけど、またそうやって倒れられても困るしな....大体、さっき俺に顔色のことを言ってきたが、彼女の方が悪く見える。
川上「A休みな。朝食べたん？」
『食べてないし、要らない。昨日お酒飲んで休ませてもらえたから大丈夫。今ちょっと忙しい』
はぁ、またこのパターンか....
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