。 ページ15
伊沢「....桜舞は？」
河村「多分だけど、撮影部屋」
山本「どうしたんでしょう？」
須貝「分からん」
福良「まぁ、取り敢えず様子見しよう」
こう「そうですね」
みんなが心配の声をあげる中、福良さんの一言でまた仕事に戻る。そこに参加していなかった俺もタイピングのスピードを速めた。無論、頭の中はAの異変についてのことで埋め尽くされているんだが。
気掛かりなことはいくつかあった。
2人の論争でAが負けていること。社全体の定例会議なのにAは行かなくて良いこと。茅野のメールはいつも俺にだけ送られて来るのに、今回は伊沢さんにも来ていたこと等。言い出すときりがないぐらい変だ。
その他に、雰囲気や表情にも、おかしな点はいくつかあった。みんなは気づいてないかもしれないけど、出勤してきた時のAは何処か悲しそうにしていたし、さっき俺に怒鳴った時は、焦りと申し訳なさが見えた。その後、逃げるようにして出ていった訳だが。
と色々な思考を巡らせていると、山本があっ、と声を出した。それに全員が反応し、こうちゃんは山本の下へ。
こう「どうかした？山本さん」
山本「う〜ん、いや、でもなぁ〜....」
福良「なに、どうしたの？」
山本「いや、こんな時にあれなんですけど....」
伊沢「ん？」
山本「Aさん、飲みに誘いませんか？ほら、お酒の場の方が話しやすいこともあるじゃないですか。だから良いかな〜って思って....」
語尾をどんどん小さくする山本の案に、全員が感心と納得を見せる。確かに良い案かもしれない。どれだけ完璧だと言われていても、Aだって人間なんだ。ストレスぐらい溜まるだろう。それを彼女が壊れる前に発散する必要はある。
川上「それ良いかもね」
須貝「Aちゃんも色々あるやろし」
伊沢「発散も大事やろ！」
河村「伊沢は飲みたいだけでしょ」
福良「まぁまぁ笑。じゃあ今日にする？この後はもうなにも仕事とかないし、明日も休みだし」
話がトントンと進んでいき、全て決まりかけ時。
こう「....それ、誰が言うんですか？」
こうちゃんがそう言った。それを聞いて、全員の視線が当たり前というように俺へ向いてくる。
みんなの都合が良いのは今日、それを逃せば次は暫く先になってしまう。責任重大なんよなぁ....
重い腰を持ち上げて、溜め息を溢しながら撮影部屋に向かう。断られた時用の言い訳を考えながらドアをノックした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「QuizKnock」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
