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小学校の頃はずっと一人だった。

僕が父から完璧を求められたように、まわりに完璧を求めれば人は離れていった。完璧の何がいけないのか、その頃の僕には分からなかった。

だからまわりと関わるのは辞めた。完璧じゃないと意味がないから。でも一人、絶対に僕から離れようとしない奴がいた。

そいつは川上拓朗。彼は僕の家の隣に住んでいて、学校の行き帰りは一緒だった。でも学校では話さないし、家に来た時も黙って勉強するか読書するか。

僕と居ても楽しくないのが分かっているくせに、いつもそばにいた。僕がぼっち飯をしている時は必ず来たし、クラスメイトが僕をウザイといじめた時も助けに来る。

それを父に知られて僕はいつも殴られていたけど。良かれと思ってやっているんだろうが、良い迷惑だった。だから近づかないように警告したけど、彼は聞く耳を持たなかった。いつしか、僕は諦めて彼に心を許していた。

最高学年に上がった時、中学受験のことで話し合ったことがある。出来るなら同じ学校に行きたいと思っていたが、父は東京の会社を管理する必要が出た為、僕も大阪を離れて東京に引っ越すことになった。

結果、彼は灘中学を受験。僕は桜陰中学を受験した。当たり前に満点で合格、誉められることなど期待するだけ無駄だ。




そして引っ越し当日、僕は大阪を出た。彼にはその3日前に桜陰に合格したことだけを伝えたぐらい。その時の記憶だけは少し曖昧で覚えていなかった。カメラアイはよく分からない。

桜蔭に入学して、まわりからは更に完璧を求められるようになった。それに答えられるように努力した。疲れてしまうことも極々あった。でもそんなことは言っていられないから。

結局、桜蔭でも一人。変わらないのはあいつが横にいないこと。別に寂しくはなかったけど、何か足りなかった。


その物足りなさからある物に出逢うことになる。

。→←完璧になる為に



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作者名:神威-α | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月29日 5時

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