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今日は確か撮影日で、僕が問い読みをする動画が多かった気がする。極力急いでオフィスに向かったが案の定、福良は怒っていて。
福良「河村、遅い」
川上「本当、定刻に来ませんね」
山本「図書館行ってたんですよね？」
福良が話したのだろう。僕が図書館通いしていることはみんな知っていて、伊沢は「なんか良い本あった〜？」とソファーに座って言っている。
福良の準備を手伝って、何本か撮影をした。終わった後、貯まった雑務を片そうと執務室に入る。
そこで僕は思わず入り口に立ち止まった。だってそこには図書館にいたあの子がデスクに座り、パソコンに向かっていたんだから。
福良「河村、どうかした？」
福良の声で我に返る。すると彼女も僕に気づいたらしく、椅子から立ち上がった。
河村「どうしてここにいるんですか？」
伊沢「お、何？知り合い？」
茶化してくる伊沢を置いといて彼女に近づく。彼女は僕に頭を下げ、口を開いた。
『自己紹介が遅れて申し訳ございません。先日、伊沢さんからお誘いを受けQuizKnockライターとして働くことになりました、桜舞Aです。よろしくお願いします』
あまりにも丁寧な自己紹介を聞いた後、自分も自己紹介をした。
河村「QuizKnockでプロデューサーをしています、河村拓哉です」
『存じております』
Aさんは図書館で会った時から僕がQuizKnockの“河村”だということに気づいていたらしい。ただプライベートだったから声をかけるのはまずいと思って何も言わなかったと。
須貝「Aちゃんが初めて来た時、河村くん熱出してていなかったんだっけ？」
こう「確かにいつも河村さんが来る時に桜舞さんいなくて、桜舞さんが来る時に河村さんいないですもんね」
川上「オフィスで会う前に通っていた共通の図書館で会ったってことですか」
伊沢「伝え忘れてた？河村知らなかったのか」
確かに熱を出した時、新メンバーの話をしていたような気がする。すっかり忘れていた。
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