【おまけ】本作の解説 ページ21
.
こちらは作者による本作の解説です。
執筆時のメモも合わせて記録してみました。
考察の参考にしてみてください( *ˊᵕˋ)ﾉ
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
●舞台｢染､色｣との繋がり
本作の内容の通り、
ここに登場する主人公(貴女)は
加藤先生が原稿を執筆する際に生み出した
いわば｢物語の中の登場人物のひとり｣なのです。
だからシゲアキさん自身に性格がよく似ているし、
欲しい言葉を、欲しいときにくれる。
聞きたくない言葉はそもそも発しないし、
一番の理解者として、家にいる。
まるで、手放すと困るスマホのように。
どことなく深馬の姿と重なるシーンもあるでしょう。
自分の欲しいもの(絵を描くこと)をくれる。
欲を吐き出させてくれる。
そんな幸せな日々を手に入れたはずなのに、
心のどこかで｢このままじゃいけない｣とわかってる。
そして意を決したとき、
彼女は自分の生み出した幻覚だったのだと気付く。
誰も自分のことを理解してくれない。
助けてくれない。
そんな絶望に現れた一番の理解者は、
誰でもない自分自身だった。
寂しいような、そんな現実。
自分の弱さと向き合ったとき、
彼女の存在は自分の一部へと統合され消えてしまう。
深馬はそれが辛くて、
真未が恋しくても今ある現実から逃げたくはなくて
夢から醒めるように、杏奈に電話をかけた。
本作のシゲアキさんは、
そんな深馬の感情すらも追い越して
あわよくば自分の意思と想像力をもって
｢利用してやろう｣と思う。
嫌な意味とかじゃなく、
｢自分の欲求を"自分自身"で満たす｣
そんな真っ当なことを
ほんの少し歪んだ形でしただけ。
最初はまるで、
死に別れた恋人に再開するときのように
そしてときには
長年飼っていた実家の愛犬のような癒しを
執筆を支えてくれる秘書や、
いつか出会ってみたい血の繋がった娘、
心を落ち着かせてくれる恋人として寄り添う。
自分の生み出した著書にいる登場人物に
会ってみたくなれば、
彼女は喜んでPCの中にも入り込んだ。
キーボードで文字を打ち込めば、
原稿の中で彼女は楽しそうに踊る。
そこに自分の意思はない。
マリオネットのように操っているわけでもない。
彼女は彼女のしたいように、
自由に叫ぶ。気の済むまで。
自分の中から
理想と妄想と幻覚をもってして生まれ
…いや全てが幻覚とは限らない
真未の部屋はあるし電話もかかる
彼女の見つけた
ピンク色のギターのピックも確かにこの手で…
end.
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←p.s.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 98人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：白うさぎ | 作成日時：2022年11月29日 15時
