1ヶ月半の家庭教師 ページ41
その1週間後。
大学の卒業式があったらしい。
らしい、というのは流星さんから聞いたから。
流星さんの袴姿の写真が送られてきて、
めちゃくちゃ似合っててカッコよかった。
隣にはパートナーと思われる男性もいて、
その人もめちゃくちゃイケメン。
なんやこのカップルは。
世の中どうなってるんや。()
、、、大毅からは卒業式のこと、
なんも聞いてなかったから何でやろとは思った。
卒論上手くいったんやろ？
認定貰ったはずやのに。
何となく聞けなくて、時間だけが過ぎていった。
そのモヤモヤの答えは、俺の入学式の日に明らかになる。
ー入学式当日。
大学の構内に、卒業したはずの、
いるはずのない人の姿。
「大毅、、、？」
見間違えるはずがない。
なんで、大毅が？
「とも、入学おめでとさん。ようこそ我が大学へ」
「ようこそちゃうやん、なんで大毅おるん、」
「へへ、びっくりしたやろ(笑)
俺な、もうちょっと大学おるねん」
「え、なに、ダブったん、、、？」
「ちゃうわ！(笑)
大学にはその上があるやろ」
「、、、えぇぇ？！」
まさかの、大毅は大学院に進学していた。
「あ、え、待って、これってそういうことなん？」
受験前に貰った、『大学で待ってる』のメッセージを
大毅に見せた。
卒業するのに『待ってる』っておかしいやん。
そういえば、そうやんな。
「そういうこと。ドッキリ大成功♡」
「そんな伏線張るなや、、、！！！」
一緒に居られることが嬉しくて、飛びついて、
大毅の胸に顔をうずめる。
「大毅、大好きやで」
「俺が先にとものこと好きになったし」
「俺の方が愛はでかいし」
「じゃあ証明してや」
目を閉じる大毅に少し顔を傾けてゆっくり近付く。
唇が触れる寸前、「愛してる」と呟いて押し付けた。
1ヶ月半の家庭教師から一生のパートナーへ。
もっと色んなこと教えてくれるやろ？
しげせんせ。
【1ヶ月半の家庭教師・END】
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作者名：水無月こすも
| 作成日時：2021年8月16日 20時
