うちの愚息 ページ39
「あ、おかん、来たで」
夕方、大毅がうちに来た。
あくまで先生として。
今だけは生徒の顔せんとな。
「先生っ!!
ありがとうございました、
おかげさまでうちの愚息が受かりまして、、、」
「ちょ、愚息て(笑)」
「おめでとうございます!智洋くんおめでと。
智洋くん頑張ってましたよ〜
集中力もええし、めちゃくちゃ努力型ですね」
「あらほんまですか?
あ、先生、これお礼といっては何ですが、
どうぞ受け取ってください、、、」
めちゃくちゃ低姿勢で差し出されるお菓子の詰め合わせ。
大毅めちゃくちゃ困ってておもろいな(笑)
「お母さん!!これは受け取れません!!
智洋くんが頑張った結果ですから!!
これは智洋くんと一緒に召し上がってください!!」
「いやいやいや智洋にやる気を出させてくださった
先生のおかげですから、、、」
「あかんですって、ほら、智洋くんからも、、、」
助けを求めるような目。
あかん、おもろい、可愛い(笑)
「しげせんせ、受け取ってください」
「智洋くんまで?!
ちょ、お母さん、ほんまに、ほんま、」
この攻防戦は大毅が紙袋を渋々受け取るまで続いた。
受け取ったときのおかんの晴れやかな顔と
大毅の困った顔の温度差が面白すぎて
ずっと笑ってもうた(笑)
「じゃ、私はこれで。
智洋、ちゃんと先生にお礼言うんやで」
「はいはい、(笑)」
家の外に残された2人。
目が合えば「なんか恥ずいわぁ(笑)」と
照れ笑いする大毅がめちゃくちゃ愛おしかった。
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作者名:水無月こすも | 作成日時:2021年8月16日 20時