下の名前 ページ19
改札付近で待っていると、
小走りで近付いてくる人影。
あ、先生きた。
「おはようございます!」
「おはよう、ごめんな?待ったやろ?」
「いや、僕が早く着きすぎただけなんで(笑)」
「ふは、そない楽しみにしてくれたん?」
「、、、初デートですよ、そりゃ楽しみにします」
ちょっと照れながら言えば、先生は驚きつつも
顔を綻ばせて不器用に頭を撫でてくれた。
いつものTシャツにデニムパンツじゃなくて、
今日は少しおしゃれしてきてくれた先生を
まっすぐ見ることができない。
「智洋くん、、、いや、とも、行こっか?」
「っ、はい、」
改札抜けて電車で向かう水族館。
子供連れ、学生のグループ、カップルが多く見られる。
俺たちはどんな風に周りから見えてんねやろ。
「とも」
「、、、その、呼び方」
「ん?あかん?」
「いや、、、慣れてなくて、その」
「照れてんか、可愛ええなぁほんま(笑)
俺のことも名前で呼んでや、先生禁止やで」
「えっ、、、!えと、あのっ、、、!」
「下の名前わかるかー?(笑)」
「わかりますよそりゃ!!(笑)
だ、だだっ、だいっ、だっ、大毅っ、、、」
「おっ、、、(笑)」
恐る恐る彼の顔を見れば、
嬉しさが爆発してるような幸せ最高潮なにやけ具合。
俺の顔からは火が出そうなくらい熱くて
初対面のときのような手汗が出てきて止まらなかった。
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作者名:水無月こすも | 作成日時:2021年8月16日 20時