俺のこと ページ6
「さて、お勉強しましょー、、、と言いたいとこやけど」
先生がこちらに体を向けて、じっと見つめてくる。
なんだか恥ずかしくて目を逸らすと、
「智洋くん」と低い声で呼ばれた。
その声は怖いものではなく、どこか優しくて甘い声。
「俺な、智洋くんのこと好きになってもうた」
「っ、、、?!」
「智洋くんやって俺のこと好きやろ?」
「ぼ、僕はっ、そんなっ、、、!!」
「照れちゃって、、、ほんま可愛ええ。
ずっと俺のこと見てたくせに、よう言うわ。
緊張の視線ちゃうねん、気付いてないやろ?」
「そんな、ことはっ、、、」
ない、と言いたかった声はどんどん小さくなっていく。
好き?
あかん、先生に乗せられたらあかん。
好きなん?
昨日会ったばっかりやで、早とちりや。
俺は先生が好き?
相手は男やぞ、4歳年上やぞ!!
「とも、俺のこと見て」
「せ、んせ、、、」
「お互い一目惚れやねん、な?
自分の気持ちに素直になって、好きって言って?」
「僕は、、、」
俺は、、、?
考えがまとまらないうちに抱き寄せられた。
そして、唇が重なるのは一瞬やった。
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作者名:水無月こすも | 作成日時:2021年8月16日 20時