片道20分の恋。(( 桃 ))

片道。10 ページ11

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流「A？なぁ、A！」

「えっ！な、何！？」

流「最近元気ないやん」

「そんなこと…………」

流「あるやろ？どうしたん？」

「……………別に何にもないよ」








自分でもこんなに元気が出ないのは初めてでびっくりする。

理由は明白で、望くんのこと。









流「望のこと？」

「えっ！？」

流「やっぱ図星か」

「何で…………」

流「そりゃ、1年も傍におったら分かるやろ」

「そっか………」

流「望も最近元気ないんやけど」

「え、大丈夫かな？」

流「さぁ」








私の元気がない理由は望くんやけど、望くんの元気がない理由は何か分からへん。


はぁ………。電車の時間、いつものに戻したいな…。








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「あ、やばい！遅刻や！」







望くんに会わないように、一本早いのに乗ってたけど今日は間に合わなくて、望くんと同じ電車に乗ってしまった。


いつもの癖で車両も一緒。

急いでたから、それに気付いたのは電車に乗ってから。


何してるんやろ、私。








望くんがいつも乗ってくる駅が近付くに連れてドクドクと心臓が嫌な音を立てる。

ふたりで乗ってこないで。

そんな大人気ない願いも叶うわけなく、ふたりは一緒に乗ってきた。




もう、見ないようにしよ。

話し声が聞こえてくる。


嫌や。聞きたくない。









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