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「キャー」
こんなにお化け屋敷が怖いと私は思っていなかった。
剛典は私の手を握ってくれているが、私は目を開けて歩けない状態だった。
剛典「もぅ、遅いなぁ。ほら、おいでここ。目瞑ってていいから。」
彼は手を後ろに広げた。
私はそこにゆっくりとくっつき、彼の背中に身を委ねた。
剛典「行くよ。」
「うん。」
剛典はゆっくり歩き出した。
私は目を瞑って出口まで彼に連れて行ってもらった。
「はぁ〜。怖かった。」
剛典「ほとんど何も見てないじゃん。」
「剛典のおかげでね。」
彼を見て私が微笑んだ。
剛典「ふざけんな。可愛すぎ。」
彼は私を抱き寄せた。
体が離れると徐々に顔が近づいてくる。
「え?ダメだよ。人いっぱいいるし…」
剛典「じゃあ後でね。」
「あ、うん。」
私のファーストキスは彼に奪われる予定ができた。
私たちはたくさんの乗り物に乗り、時刻は21時を示している。
剛典「最後に観覧車乗ろっか。」
「うん。夜景綺麗かな?」
剛典「きっと綺麗だよ。」
私たちは観覧車に乗り、やっと2人きりになった。
「楽しかったけど疲れたねぇ〜。」
剛典「そうだね。でも、まだ終わりじゃないからね。」
「え?あ、もうすぐ頂上だよ。夜景やっぱり綺麗だね。」
私は最初何のことかわからなかったけど、さっきの約束を思い出したら恥ずかしくなってしまって、話を逸らした。
剛典「頂上か…」
そう言うと私を引き寄せた。
剛典「ねぇ、キス。してもいい?」
私が頷くと彼の顔がどんどん近づいてきた。
さっきは否定したが今は否定する必要がない。
観覧車が頂上に達すると同時に剛典の唇が私の唇に触れた。
彼が離れていくと今度は彼の体に私は包まれた。
剛典「ずっと一緒にいようね。」
「フフ、もちろん。」
この言葉が現実になればいい。けど…
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作者名:A29 | 作成日時:2020年3月15日 18時