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岩田 「隣、座ってもいい?」
「は、はい。」
そう言うと岩田さんは私の隣に座った。
「あ、あの。岩田さんって彼女いるんですか?」
私はいきなりなんてことを聞いているんだろうと思った。
だから話を逸らそうとした。
「あ、ゴメンなさい。何でもないです。」
岩田 「いないよ。」
「え?でもこの間一緒に帰ってるところを見たんですけど。」
岩田 「あー、あの時ね。あれは彼女じゃないよ。ただの幼馴染。」
何だか幼馴染という言葉が羨ましかった。
私の初恋は散ったと思っていたが、そうでもなかったみたいだ。
ただの私の勘違いだったようだ。
岩田 「なんでそんなこと聞くの?」
「え?い、いやなんでもないです。」
岩田 「ふ〜ん。それで咲はいないの?彼氏。」
「そんな人私にはいませんよ。」
岩田 「そっか、良かった。」
確かに今岩田さんは、私に彼氏がいないことを知って「良かった。」と言った。
それはどういう意味なのだろうか。
私は聞こえていないフリをしてスルーした。
岩田 「あのさ、岩田さんってやめない?俺たち同級生だし、これから仲良くしていきたいなぁ〜って思ってるからさ。」
「それは良いんですけど、なんとお呼びすれば良いんでしょうか?」
岩田 「敬語もダメ。例えば剛典とかどう?」
まさかのいきなりの呼び捨てに私は驚いた。
でも、距離を縮めたいと思っていたからそう呼んでみるのも良いかなぁと思った。
「岩田さんが良いのであれば。」
私がそういうと何かいいとそうな顔をしていた。
「あ、剛典が良いなら。」
剛典「はい。決まりね。」
この日から私たちは昼休みだけでなく、授業の合間の休み時間や放課後、休日など一緒に出かけるようになった。
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作者名:A29 | 作成日時:2020年3月15日 18時