120 ページ9
赤坂は、窓を上に上げていた
良:…どっ、どうしたんだ?
赤:シャッターを降ろそうと思いまして…。その方があおい様への負担が少なくなるのではと
良:そう…だな…
雷の音も、雨が窓を叩く音も聞こえずらい…
良:よろしくたのむ
赤:かしこまりました
良:あと…、しずかにな…
赤:はい-
赤坂がシャッターを降ろしてくれた
さいわい、あおいは起きなかった…
よかったぜ…
俺もあおいの手を握ったまま、眼をつぶった
その翌朝、俺は誰かに肩をたたかれた
良:…あん?
赤:おはようございます、良牙さま
良:あぁ、もう朝か…
あんまり、眠った感じがしねぇ…
良:…外は、どうだ?ちっとは、ましになったか?
赤:いぇ…、雨がまだ降っております…
良:…はげしい雨か?
赤:はい…。どうやら、台風の前触れみたいらしくて…
良:そうっか…、
なら、あおいが元気になるのは、それからって事だよな…
しばらく、天気が不安定なんだもんな
こいつもそうだろうし…
プルル、プルル…
こんな、朝っぱらから、誰だ?
赤:私が出てまいります
良:あぁ…
俺は、離れられねぇしな…
赤坂が子機を持って、戻ってきた
良:…俺なのか?
赤:はい…。てっ、天道早雲さま?という方で…
あっ、あかねさんのお父さんじゃないか…‼
良:…もしもし、良牙だ
早:久しぶりだね、良牙くん
良:いえいえ…、おじさんもお元気そうで、何よりです
早:いやいや…
良:…いかがされました?
早:この前、乱馬くんから、聞いたよ、身体の弱い少女を預かってほしいって
良:はい…
早:こちらで考えてみたよ…。一応、みんな、別にかまわないって言ってる…
良:そう…ですか…
早:ただ、なびきがなぁ…
なびきさんか…
あの人は、お金に細かいからな
早:僕が無理やり、納得させたよ
良:あっ、ありがとうございます
めずらしいな、おじさんがここまでしてくれるなんて…
早:…どうした?
良:おじさんらしくねぇなって、思って…
早:そう…かもね
良:…なんで、あおいの事、受け入れてくれたんすか?
早:ん〜、なんて言ったらいいかな…。その子のね、家族になれたらなぁって思ってるんだ
良:…はぁ?家族なら、兄貴と姉貴がいるぜ
早:…。…一緒には、暮らしてはないんでしょう?
良:あっ、あぁ…
早:僕も、身体は丈夫じゃない…。だから、その子の気
持ちが十分に分かるんだ…。たぶん、今までも苦労した事が多かったはずだ…
おじさん…
1人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:田中カオリ | 作成日時:2019年4月15日 17時