その時、あおいが思ってた事 ページ7
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あおいside
良：あおい〜？今から耳に柔らかいのが当たるぜ〜
何かをかぶせてくれた…
ほっ、ほんの少しだけど…
外の音が聞こえにくくなった
うっ、うれしぃ…
赤：…似合っておられますよ、あおい様
うれしいな…
良：…どうだ？怖いの、ましになったか？
あ：うっ、うん…、ちょっとだけ…
良：そっか、そっか…、それは良かった…
あ：ありがと…。
ジュースがほしい…
けっ、けど、つっかえてて…、上手く…、言えない…
なっ、何とかして、つっ、伝えないと…
あ：っさ、っさっきの…
良牙くんの顔が近くにきた…
聞いて…くれるの…？
良：…ん？どうした？
いっ、言わないと…
あ：っじゅ、じゅっ、じゅ…
良：…ジュースが欲しいんだな？
私は首を縦に動かした
良牙くんは私にコップを渡した
良：…自分で持てるか？
たぶん…
けど、こぼしちゃうかも…
あ：うっ、うん…。けど…、さっ、ささえて…？
良：あぁ…。
良牙くんは私がジュースを飲むのを手伝ってくれた
良：…どうだ？
あ：おっ、おいしぃよ…。
さっきよりも、おいしい気がする…
良：そうっか…、いっぱい飲んだな…
あ：ありがと…
今度は眼がとろんってしてきた
ちょっと、ねむい…
けど、話したい…
良：…寝るか？
あ：うっ、ううん…、ちょっ、ちょっ、ちょっとだけ…
良：分かった…
すこし…、さむい…
それに、さっ、さびしぃ…
なんか肩にかかった…
あたたかいな…
おっ、お礼を…、言っておかないと…
けっ、けど…
あ：あっ、あり…、あっ、ありが…
良：いいぜ…、無理に言わなくても…
なら、頭を下げようっと…
なんでか分からないけど、こっ、声が出づらい
何かがつっかえてて…
でも、話したい事がある…
どっ、どうしよう…
あ：あっ、あの…、えっ、えぇっと…
テーブルの上にメモとシャーペンがあった
…なんで？
良：…上手く話せねぇんだろう？
あ：うっ、うん…。けっ、けど…
また…、迷惑…、かけちゃった…
良：なら、このメモに書きな…。
この方がいいかも…
一気に伝えられるし…
メモに文字を書いていった
どんどん、言葉が出てくる…
どんどん…
ふしぎな事に…
それで、良牙くんに見せた
『いつもありがとう…
あたり前だって、言葉、本当に嬉しいの…
あの言葉を言われるだけで、安心して眠れるの…
本当に、良牙くんと会えて、うれしいよ…
こんなに優しい人、初めて会った感じだよ…
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作者名：田中カオリ | 作成日時：2019年4月15日 17時
