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赤：…良牙さま、これをつけて下さいませ
みると、イアーマフラーだった
良：そう…だな
少し暖めておいた方がいいよな…
急に冷たいのが当たると、びっくりするだろうし…
って思って触ったら、暖かくなってた
赤坂の野郎…、暖めてくれてたんだな…
さすがだ…
良：あおい〜？今から耳に柔らかいのが当たるぜ〜
俺はあおいの頭にイアーマフラーをかぶせた
赤：…似合っておられますよ、あおい様
あおいは首を縦に動かした
良：…どうだ？怖いの、ましになったか？
あ：うっ、うん…、ちょっとだけ…
良：そっか、そっか…、それは良かった…
あ：ありがと…。っさ、っさっきの…
あおいの声がさっきより小さくなった
俺はさらに顔をあおいに近づけた
良：…ん？どうした？
あ：っじゅ、じゅっ、じゅ…
良：…ジュースが欲しいんだな？
あおいが首を縦に動かした
俺は赤坂に合図を送った
赤坂がコップを持って、やってきた
良：サンキュー…。
俺はあおいにコップを渡した
良：…自分で持てるか？
あ：うっ、うん…。けど…、さっ、ささえて…？
良：あぁ…。
あおい…、しゃべりにくいのか？
いつもより、つまってやがる…
俺はあおいがジュースを飲むのを手伝った
良：…どうだ？
あ：おっ、おいしぃよ…。
良：そうっか…、いっぱい飲んだな…
あ：ありがと…
あおいが眠そうな顔をしてやがる…
良：…寝るか？
あ：うっ、ううん…、ちょっ、ちょっ、ちょっとだけ…
良：分かった…
とは言ったものの、あおいはずっと下を向いて、ふるえてる…
やっぱり、こわがってんだ…
赤坂がブランケットを持ってきてくれた
赤：これをふわっとかけてあげて下さい
良：あぁ…
俺はあおいの小さな肩にふわっと、ブランケットをかけた
あおいが俺の方を見てきた
あ：あっ、あり…、あっ、ありが…
良：いいぜ…、無理に言わなくても…
今度は、あおいがペコって頭を下げた
気持ちを伝えにくいんだな…
これ以上は、やめた方がいいか…？
あ：あっ、あの…、えっ、えぇっと…
俺はポケットにあるメモとペンをあおいに渡した
良：…上手く話せねぇんだろう？
あ：うっ、うん…。けっ、けど…
良：なら、このメモに書きな…。
あおいはペコって頭を下げて、メモに文字を書きはじめた
それで、俺に見せてきた
そこには…
『いつもありがとう…
あたり前だって、言葉、本当に嬉しいの…
あの言葉を言われるだけで、安心して眠れるの…
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作者名：田中カオリ | 作成日時：2019年4月15日 17時
