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抱きしめて、ほしい…

そのまんま、腕を伸ばしてみた

良:あおい、身体を動かすぞ〜
あ:うっ、うん…

良牙くんは私の身体を移動してくれた

まっ、まちがい…、ない…

おもいっきり、良牙くんに抱きついた

うっ、うれしい…

ほんとに…

あ:りょっ、りょう…、ぅがくん…、こっ、こわいの…、んこ、こわくてね…、こわくてね…ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、

おもいっきり、ぶつけたら、くるしくなってきた…

だっ、だめだ…、

息ができない…

だれかが背中をさすってくれた…

良:気持ちは十分に分かったから、しゃべるな…
あ:ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、うっ、うん…

あっ、あり…がと…

ちらっと見えた…

良牙くん…

なんか考えてる…

しっ、しりたい…


って思ってたら、良牙くんが私の眼をじっと見てきた

良:…あおい?
あ:…なっ、なに?
良:おめぇ…、最近、泣いたか?
あ:…どっ、どういうこと…?

わっ、訳が…、分からない…

良:最近、おもいっきり泣いた事、あったか?

なっ、ないない…

ぜんぜん、ないよ…

私は首を横にふった

良:…なら、おもいっきり泣きな。ついでに、音も聞こえづらいようにしてやっから
あ:しゃっ、シャツが…

よっ、よごれ…、ちゃう…

良:俺の事は気にすんじゃねぇ…。それ以上、言うと離れっちまうぞ?

いっ、いやだ…

いっ、一緒に…、いて…、ほしい…

それに…、

眼から涙が出てきそう…

私は顔を良牙くんの胸に当てた

あたたかい…

おもいっきり、ぶつけた

あ:うっ、うぁ〜ん!こっ、こわいよぉ〜、はっ、はやく元気になりたいのに〜、何でなの〜

おもいっきり、泣いた…

ぜんぶ、言ってみた

だって、もう…、限界だもん…

ほんとに、

はやく出たい…

一度でいいから…

部屋の外でいいから…

良:よしよし、もう大丈夫だ…、俺がいるからなぁ

良牙くんは私の頭をなでながら、私の両耳をふさいでくれた

なっ、なんで…?

りょっ、良牙くんの声…、聞きたいのに…

あ:…えっ?

片方の耳が開いた

良:俺がふさいだら、風の音が聞こえづらくなるだろう…?おめぇは、おもいっきり泣けりゃいい…
あ:あっ、あり…がと…

そっか…、私への負担が減らすためにしてくれたんだ…

うれしいな…

良:疲れたら、勝手に寝ていいからな…?
あ:うん…

私は良牙くんの胸に顔を当てた

どんどん、出てくる…

3→←その時、あおいが思ってた事



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作者名:田中カオリ | 作成日時:2019年4月15日 17時

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