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私は、ニコって笑った
よかった…
このまま…、なんだ…
赤：…あおい様、稜が一回、あおい様を診たいと言っておられます…
あ：…
りょっ、りょうって、先生だっけ…？
赤：…いかがされますか？
どうしよう…
上手く話せない…
それで、いいのかな…？
書いてみよう…
『どっ、どうすれば…、いいの？
わたし…、話すのが…、こわい…』
良牙くんは執事さんにメモを渡してくれた
赤：大丈夫でざいます…、思ったとおりに話せば良いのでございます
あ：こっ、こん…、こんな…、かっ、かん、かんじ…？
赤：はい、そうでございます…
良：俺も手伝ってやっから、安心しな…？
よかった…
この感じで、話せるんだ…
私は首を縦にふって、ニコって笑った
まだ、言いたい事があるんだ…
どんどん書いていこう…
『はっ、はやく…、うっ、うごけるように…、なりたい…
こっ、ここから…、出たい…
なっ、何とかして…？』
ほんとに、ずっとそう思ってる…
ぜんぜん、この部屋から出れてない
はやく出たい
ほんの少しでいいから
良：…赤坂に見せるぜ？
私は首を縦にふった
良牙くんは、執事さんにメモを見せてくれた
良：…どうだ？できそうか？
赤：今は何とも言えません…、稜に聞いてみない事には…
良：そう…だな…
赤：でも、稜には伝えておきます、あおい様が外出したがっておられると…
私は頭を下げた
少し疲れてきた…
休みたい…
でも、まだもう少しだけ、いける…
赤：…あおい様、もう一つだけ、聞いてもよろしいでしょうか？
頭を縦にふった
赤：…最近、眠れておられますか？
私は、首を横にふった
ぜんぜん、眠れてない…
寝るのがこわくて…
つっ、つかれた…
けど…、伝えないと…
『ぜっ、ぜんぜん…、眠れた感じがしないの…
おくすり…、ほしい…』
赤：かしこまりました…。では、これをお飲みくださいませ
あ：あっ、あり…がと…
その人は、私の手の上に、くすりをのせてくれた
良：あおい〜？口を開けろよ〜、ジュースと薬を入れてやっからなぁ
私は小さく口を開けた
だっ、だれかが…口の中に…、ジュースと何かを入れてくれた
おいしい…、何のジュースだろう…
けど、ねっ、ねむい…
もう、げんかい…
良：…うめぇか？
あ：うん…。もっ、もう…、寝て…いい？
良：おぅ！ゆっくり、やすみな
私は、ゆっくり眼をつぶった
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作者名：田中カオリ | 作成日時：2019年4月15日 17時
