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私はおもいっきり抱きついた…
その人は、ぎゅうっと私の身体を抱きしめて、背中をさすってくれた
きっ、きもちいい…
やっと、安心できた
けど…、どっか…、行っちゃう…かも…
あ:いっ、行か…ない…で…?どっ、どこ…にも…
良:当たり前だ…、俺は、ずっ〜とおめぇの側にいるぜ…。だいじょ〜ぶ、俺が守ってやっから
あっ、ありがと…
とても、うれしいよ…
でも、もう、げんかい…
気持ちいいよ…、ほんとに…
でも、ちゃんとお礼を言っておかないと…
あ:んっ、ん…
良:よっ!
いつもの人だ…
きいろいバンダナを頭に巻いてる
たっ、たしか…、名前は…
りょっ、りょうがくんだ…
いっ、言いたい…
なのに、なんかつまってて、上手く…言えない…
あ:りょっ、りょう…
良:無理に言わなくていいぜ…
ありがと…
私は首を縦にふって、そのまま、頭を下に下げた
良:…のど、かわいてねぇか?
あ:うっ、うん…。けっ、けど…、こっ、ここに…
いっ、行かないで…?
良:わぁった、わぁった…、このままで、いてやっからよ
よかった…
私は頭を下げて、少しほほ笑んだ
赤坂がコップを持ってきた
赤:あおい様、お久しぶりでございます
あ:うっ、うん…
赤:…いかがですか?
どうやって、言おう…
言いづらい…
良牙くんはペンとメモをテーブルの上に置いてくれた
そこに文字を書いていった
『身体がずっと、おもい…
こっ、声が出づらい…
とっ、とても…、こわい…』
赤:なるほど…、そうなんですね…。お耳にイアーマフラーがありますけど、いかがですか?
私は首を縦にふって、ニコって笑った
良牙くんに次のメモを渡した
『とっ、とても…、まっ、ましだよ…
おっ、音が聞こえないの…
でも、やっぱり、こわい…』
赤:…では、何も聞こえないようなイアーマフラーにいたしましょうか?それなら、全然、聞こえなくて良いと思うのですが…
いっ、いやだ…、良牙くんの声は聞きたい…
私はおもいっきり、頭を横にふった
どうやって、伝えようっか…
何とかして、伝えないと…
そっか…
腕で良牙くんを示した
良:…おっ、おれ?
首を縦にふって、手招きした
そしたら、言える…
ちょっとだけだけど…
あ:そっ、そしたら…、りょっ、りょうがくんの声が聞こえない…。そっ、それは…、いやだ…
良牙くんは私の言った事をそのまま、伝えてくれた
赤:かしこまりました…。イアーマフラーは、そのままにしておきましょう
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作者名:田中カオリ | 作成日時:2019年4月15日 17時