その時、あおいが思ってた事 ページ16
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あおいside
こっ、こわい…
ほっ、ほんとに…、なんでか分からないけど、
身体が勝手に震えだす…
そんな寒い訳じゃないのに…
ガッ、ガタガタッ
まっ、また…、鳴ったっ…
これで、もう何回めだろう…？
こっ、こわいぃ…
やっ、やめてよぉ…
あ：いっ、イヤァ…、こっ、こわいよぉ〜
なんか…、左手が変わった気がする…
あ：いっ、行かないでぇ…、いっ、一緒にいて…
良：もちろんだぜ、俺はおめぇの側にずっと側にいてやるぜ
あ：いっ、行かないでぇ…！
声がきこえるのに、こわくて仕方ない…
こんな私のために…、いてくれるって言ってるのに…
にぎってる腕が変わった
だっ、だれだっけ…？
良：ずっと、いるからなぁ…
この声…、知ってるっ…！
あの人だ…
いつも、いてくれる…
私はもう一方の腕を伸ばした
その人は受け取ってくれた
良：…起こした方がいいか？
あ：おっ、おねがい…、たっ、たかめで…
いつもの、声だ…
良：わぁった…
良：あおい〜？今から、身体を動かすからなぁ
あ：ﾊｧ、ﾊｧ、ﾊｧ、ﾊｧ、ﾊｧ、ﾊｧ
良：俺の方を見てろよ〜
眼をあけると…
うつってた…
いつもの人が…
ぼんやりとだけど…
良：いい感じだぜ〜、あおい〜
その人は私の身体を起こして寝かせてくれた
赤：…あおい様、背中を上げますね
あ：うっ、うん…
また違った声が聞こえた…
この人も、いい人だ…
あ：りょっ、りょう…
良：…俺の事が分かるか…？
あ：うっ、うん…
はっきり、見えた…
ほんとうに、うれしい…
良：よく頑張ったな、あおい
あ：あっ、あり…がと…
赤：…苦しくありませんか？
あ：うっ、うん…。
だれだっけ…？
聞いた覚えは、あるけど…
なまえが…、分からない…
思い出せない…
あ：あっ、あの…、だっ、だれだっけ…？
赤：赤坂でございます…
そんな名前だったなぁ…
あ：そっ、そう…だったね…。ごっ、ごめん…なさい…
赤：大丈夫でございます…
その人は優しく私の頭をなでてくれて、私はほほ笑んだ
けど…、
すぐに…
ガッ、ガタタッ、ガタガタ…
また…、音が鳴ったっ…
やっ、やめてよぉ…、ほんとに…
あ：いっ、イヤァ…、やっ、やめてぇ…！
私は腕を伸ばした
何とかしてほしくて…
たすけてほしくて…
自然と身体がうごいた
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作者名：田中カオリ | 作成日時：2019年4月15日 17時
