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疲れちまったんだな…
気持ちよさそうに、寝息をはきながら、眠ってやがる…
その数時間後…
あおいと眼があった
あ:んっ、ん…
良:よっ!
気づいたみてぇだ
さいわい、雨も風もおさまってやがる…
よかった
あ:りょっ、りょう…
良:無理に言わなくていいぜ…
まだ、話しづれぇんだな…
あおいは、首を縦にふって、そのまま、ペコッて下げた
良:…のど、かわいてねぇか?
あ:うっ、うん…。けっ、けど…、こっ、ここに…
良:わぁった、わぁった…、このままで、いてやっからよ
あおいが頭をペコッて下げた
それで、少しほほ笑んでくれた
赤坂がコップを持ってきた
赤:あおい様、お久しぶりでございます
あ:うっ、うん…
赤:…いかがですか?
と言われても、困るよなぁ…
今、話しづらいんだし…
俺はペンとメモをあおいに渡した
あおいは首を縦にふって、受け取ってくれた
それで、俺に見せてきた
そこには…
『身体がずっと、おもい…
こっ、声が出づらい…
とっ、とても…、こわい…』
赤:なるほど…、そうなんですね…。お耳にイアーマフラーがありますけど、いかがですか?
あおいが首を縦にふって、ニコって笑った
俺にメモを渡してきた
『とっ、とても…、まっ、ましだよ…
おっ、音が聞こえないの…
でも、やっぱり、こわい…』
まぁ、音がはげしいからな…
赤:…では、何も聞こえないようなイアーマフラーにいたしましょうか?それなら、全然、聞こえなくて良いと思うのですが…
あおいがはげしく首を横にふった
それで、俺を指さした
良:…おっ、おれ?
あおいは首を縦にふって、手招きした
俺はさらに、あおいの口元に耳をくっつけた
あ:そっ、そしたら…、りょっ、りょうがくんの声が聞こえない…。そっ、それは…、いやだ…
だよなぁ、俺もそうだと思ってた…
俺はあおいの言った事をそのまま、伝えた
赤:かしこまりました…。イアーマフラーは、そのままにしておきましょう
あおいは、ニコって笑った
よかった…
安心したみてぇだ…
赤:…あおい様、稜が一回、あおい様を診たいと言っておられます…
あ:…
赤:…いかがされますか?
あおいは、俺にメモを渡してきた
『どっ、どうすれば…、いいの?
わたし…、話すのが…、こわい…』
俺は赤坂にメモを渡した
赤:大丈夫でざいます…、思ったとおりに話せば良いのでございます
あ:こっ、こん…、こんな…、かっ、かん、かんじ…?
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作者名:田中カオリ | 作成日時:2019年4月15日 17時