179話 「お悩み事は萬屋へ!」 ページ35
たくさん喋った。
俺の同僚、上司、部下、戦い、能力、楽しかったこと、恐ろしかったこと、ムカついたこと、上司の愚痴、同僚の愚痴、同僚の愚痴、同僚の愚痴、同僚の……
『思い出したらムカついてきたな……』
「ははっ!そう言ってやんなよ」
話し始めたあたりで指から炎を出して見せた。何の脈略もなく出したからびっくりしていたが、気味悪がったりなんてことはされなかった。まあ、思ってても態度には出さねえよなって思った瞬間に一郎から無言チョップを頂いたわけだが。痛い。
まあ、俺が他所の世界から来た事、中央区の思惑であることは話した。俺の不思議な能力も、喧嘩……というか物理強い系人間というのも話した。というか喧嘩の事は先の二郎の一件でばれていた。
一郎の話も少し挟んだ。萬屋をやっていること、猫探しからちょっとグレーな仕事まで請け負っており、弟たちには秘密だが、それなりに危ない橋も渡りまくっているらしい。
「お互い大変だな」
『いやいや、俺は気楽なもんだよ』
「またそういこと言う」
『しゃーねえだろ……萬屋ねえ』
「そ。あぁ、ご依頼ありましたらいかがですか?初回って事でお安くしときますよ?」
悪戯っぽく笑いながら言う一郎。
せっかくだし、楽しそうな彼の茶番に乗っかることにしてみる。
『依頼、ねえ………なんかあったかな』
「どうぞご遠慮なく」
『んー、探偵みたいなのもできるのか?』
「おう!不倫現場とかも抑えるぜ」
『いや、残念なことに恋人居ねえわ………あ、そうだ』
ふと日中の事を思い出した。
あの無駄に顔がいいイケメン俺様左馬刻様には振り回された挙句に名前も顔も知らないどこぞの誰かに被せて見られていたという鬱憤がある。しかも前の女とか彼女とかならまだしも、まさかの男。一体どこのイケメン(願望)か気になる。
それが誰かなんて一郎に聞くのは道理が違うだろうが、まあこれ以外に茶番に乗っかるネタも見つからない。
『俺さ、世話になってる人たちがいるんだけど……そいつらの内一人が俺の事をどーも俺以外の誰かに被せてみてるらしいんだよね……あ、そいつの友人が言ってたんだけど』
「男?……昔の女とかじゃなくて?」
『いや、こんな彼女いたら怖いわ。趣味を疑う』
「え?俺、趣味を疑われたんだけど」
ゲラゲラ腹を抱えて笑う一郎に「あ」と声を漏らしてしまった。
そう言えば、一郎の推しキャラは俺の顔だった。これは申し訳ねえ。まあ、笑ってるから気を悪くした感じではない。
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マカロニ - 夢野さんとの絡みが凄く楽しみです。どのように知り合うのか…。これからも楽しみにしています。 (2019年5月6日 20時) (レス) id: 9866c7f19c (このIDを非表示/違反報告)
蛇58(プロフ) - 推しってONE PIECEでの推しとかだと思った〜マジびっくり (2019年4月8日 23時) (レス) id: 0dda0db49d (このIDを非表示/違反報告)
霊夢どうふ - バイオお好きなんですね……私も大好きです。母がガチ勢です。一章の泣けるぜとあうんから察してましたけどばいおおおお((作者さんと語りたいですアシュリーのぱんつとレオンの尊さとエイダ様の美しさについて。面白いです!!更新頑張ってください! (2019年3月24日 0時) (レス) id: bd41a59bf6 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - こ、これからもお体に気をつけて頑張ってください!( *`ω´) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
椿 - も、もう…しゅき、しゅきすぎる………!(語彙力の低下) (2019年3月23日 22時) (レス) id: 15c63c8bdd (このIDを非表示/違反報告)
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