25話 「プロトタイプ」 ページ27
俺が持って帰ってきた食材半分、毒島さんが準備していた食材半分で構成された料理を食べる。うん、この魚はカワハギ。大丈夫だ、問題ない。
他のも食材を聞かなければ問題ない。この貝はサザエ。うむ、このフライみたいなのは考えない!美味しい!!美味しいからいいんです!!!
今日あった出来事を話しながら食べていればあっという間に食事は終わった。
食器類を片付けながら問われる。
「ふむ。では明日も海へ行くのだな」
『はい。あ、買い出しあります?』
「特にはないな。貴殿が使いたい調味料があったら持ち込んでくれても構わない」
『はい』
綺麗に片付いたところで昨日と同じようにテントに入りブランケットに包まる。毒島さんも入ってきてランプを消した。
「……特に喋ることがないな」
『まだ二日目ですけど……』
「聞きたいことはあるか?」
『えぇ……じゃあ、ヒプノシスマイクって結局なんなんですか?』
「精神干渉できるマイクだ。様々な種類があり正規のものは使用者により形が変化する」
『へぇ……』
「ちなみに小官のこれはヒプノシスマイク・プロトタイプだ」
『プロトタイプ?』
「軍用のもので、精神干渉が強い」
引き換えに、ちょっとやそっとでは使いこなせないがなと付け加えた彼に冷や汗が背中に伝う。俺があの路地裏で食らったのが普通のやつとかだった場合、俺のヒプノシスマイクへの耐久力はゴミである可能性があるというわけだ。精神力なさすぎて笑う。
『ヒプノシスマイクは、使われているマイクの性能で干渉力が変わるんですか?』
「どちらかというと使用者の腕次第だな。違法マイクなども横行しているらしいが、そちらの方は恐ろしい副作用を持っているものもある」
『要はパチモンもあるということですね』
「そういうことだな」
俺が中王区でもらったのはどっちだろうか。毒島さんに聞けばわかるかもしれないが、鑑定してもらうためには俺の素性を一から十まで話さなくてはならない。それは不味い。何かの折にわかる奴に聞けばいいかなんて楽観的な解決方法が出るあたり、危機感のなさは健在
のようだ。
「さて、貴殿の番だな」
『えぇ……俺もあまり話すようなことは』
ない、と言いそうになったのを踏みとどまる。
ここでないと言って質問されることほど厄介なことはないだろう。ぐぬぬぬと唸りながら話題を探す。なんでこんなことをしなきゃなんないだよ。
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カルラ - ゴファッ!! なんだこれは、、、、、 めっちゃいい! (2019年5月22日 16時) (レス) id: 92a66c530f (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - たぬきなたぬたぬさん» ありがとう……ございます……(´;ω;`)これからもよろしくお願いします! (2019年3月2日 13時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
たぬきなたぬたぬ - ほんとに.....なにこれ......すき.......。 (2019年2月26日 21時) (レス) id: 83afc62697 (このIDを非表示/違反報告)
作戦隊長(プロフ) - だまこさん» 理鶯推しがここにwありがとうございますw (2019年2月18日 18時) (レス) id: 9eca42e73b (このIDを非表示/違反報告)
だまこ(プロフ) - 理鶯が1番好きなんじゃあ (2019年2月18日 17時) (レス) id: 3c83364c40 (このIDを非表示/違反報告)
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