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41幕 ページ42

「辛くないか…?」
前を歩く剣心が振り返った
体力を消耗した自分へ歩くのが、という意味だろうが、何だか今際の言葉を思い起こしていたことが悟られたようで志穂は慌てて笑顔をつくった
「ううん、大丈夫…」
剣心は少しだけ口元で笑ってまた前を行く
志穂はその背中にそっと声をかけた
「剣心…」
「うん…?」
彼がまたくるりと振り向いた
志穂は一先ず、刃衛の言葉は置いておいてふわりと笑った
「助けてくれて、ありがとう」
どんな薬よりも傷を癒すその笑顔に、剣心もまた笑い返した
「いや、礼を言うのは拙者でござるよ」
「え?」
「あの時志穂が止めてくれなかったら、拙者は…」
「……」
「ありがとう」
「剣心」
そして剣心は懐から手を出して、志穂の手を取り歩き出した
「さあ、帰ろう。もう夜が明ける」
「うん」

そして二人は神谷道場へと帰って行った

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作者名:雪代 | 作者ホームページ:http://なし  
作成日時:2020年6月29日 2時

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