今日:13 hit、昨日:12 hit、合計:115,423 hit
小|中|大
41幕 ページ42
「辛くないか…?」
前を歩く剣心が振り返った
体力を消耗した自分へ歩くのが、という意味だろうが、何だか今際の言葉を思い起こしていたことが悟られたようで志穂は慌てて笑顔をつくった
「ううん、大丈夫…」
剣心は少しだけ口元で笑ってまた前を行く
志穂はその背中にそっと声をかけた
「剣心…」
「うん…?」
彼がまたくるりと振り向いた
志穂は一先ず、刃衛の言葉は置いておいてふわりと笑った
「助けてくれて、ありがとう」
どんな薬よりも傷を癒すその笑顔に、剣心もまた笑い返した
「いや、礼を言うのは拙者でござるよ」
「え?」
「あの時志穂が止めてくれなかったら、拙者は…」
「……」
「ありがとう」
「剣心」
そして剣心は懐から手を出して、志穂の手を取り歩き出した
「さあ、帰ろう。もう夜が明ける」
「うん」
そして二人は神谷道場へと帰って行った
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます
103人がお気に入り
103人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ