第佰弐拾譚 ページ44
玄弥side
雪城「・・・・・・わたし、何のために生まれてきたんだろうね」
『・・・・・・』
雪城「あっ、ごめんごめーん。わたしと似た者同士なんて嫌だったよね。
玄弥は、お兄さんに表面上拒絶されてるかもだけど、きっといい兄弟だよ。
わたしは、表面上助け合ってるけど、結局のところわたしは邪魔。
・・・・・・似た者同士じゃなかった。逆だったね」
なんで。
なんで表情を変えねぇんだよ。声もどうして明るいんだよ。
なんで−−−−−−−−−−−−。
雪城「『ご気遣いは結構です』」
『!?』
雪城「なーんて。お姉ちゃんの口癖だよ。我ながらできた姉だよね!」
その後に呟いた言葉を、俺は聞き逃さなかった。
・
雪城「・・・・・・何が結構だよ。頼れよ、もっと欲張れよ、バカ姉が」
・
『・・・・・・おまえ、姉大好きっ子だな』
雪城「・・・・・・言っちゃえば、わたしには、信念も使命感もこれっぽちもない。
顔も知らない他人が死んで泣けるような、御大層な人間じゃない。
『仇討ち』って名目で鬼殺隊に入隊したけど、ほんとは違う。
とにかく、お姉ちゃんをひとりにさせたくなかった。それだけ」
『・・・・・・ああ』
雪城「ていうか、玄弥ごめん! 会ったばかりの人間に、こんなこと言われてもねぇ。
わたしも、なんで話したんだろう。・・・・・・わかんないや。
引いたよね。ドン引きだよね。ドンドン引き引き」
俺が上ずった声で答えると、雪城はニコニコと笑いながら言った。
『・・・・・・おまえはいい奴だよ、なんでこんな世界来たんだってくらい。
いや、鬼殺隊が腐ってるって言いたいわけじゃねぇけど。
俺と比べれば、雪城は本当にいい奴だよ。姉ちゃん想いの、さ』
柚音「そう? 嘘でもそう言ってくれるなら嬉しい。ありがと!
それから玄弥、わたしのことは柚音でいいよ。同期でしょ?
ついでに、兄姉弟妹うまくいってない同盟組もう! いぇーい!」
『わかったけど、俺のことは名前で呼・ぶ・な!!』
柚音「じゃ、鬼狩りの時間!! 行こ!!」
『話を聞け!!!!』
似た者同士だな、俺たち。
☁・・❀・・☃・・☽
これ、続編行きますね(確信)。
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楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» そうなんです〜。正直、自分でも初作品なわけで、終わるっていう実感はあまり湧かないんですけど、4部作も書いてたわけで夢主に愛着も沸いていて、完結したら寂しい気持ちがぐっとくると思いますね……。はい!終わってもぜひ仲良くしましょうね! (2021年5月31日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - そうなんですか〜少し寂しいですね... 終わっても仲良くしてもらえますか... (^○^/)? (2021年5月31日 19時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» いーや、まだ終わりませんよぉ……!6月6日日曜日に完結予定ですので、それまでお待ちください!今のところ夢主は無一郎と会っていませんね。無限城が会ったのは最後です。 (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» はい、頑張ります! (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - 最終話ヤバイ!むっちゃ泣ける!!あの、聞きたいことがあるんですが... 夢主が死んだ後は、無一郎と会ったのですか?? (2021年5月30日 13時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楪日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/
作成日時:2021年2月20日 22時