第佰拾伍譚 ページ39
小鉄「−−−−−−−−−−−−では、いきます」
小鉄くんのおごそかな声と同時に、からくりが力強く踏み込む。
目に留まらぬ速さで繰り出される六つの刀を、次々と時透さんが受け流す。
すぐにからくりは止まってしまったけれど、間違いなく素晴らしい動きだった。
甘露寺「はあ・・・・・・」
甘露寺さんの口から、安堵と感嘆のため息がもれる。
からくりは、ちゃんと直ったのだった。
甘露寺「すごいよぉ、小鉄くん」
『ふたりとも、お疲れ様です』
鉄穴森「ええ。八方ふさがりの中から、よくぞ、ここまで頑張りましたね。
里長が仰っていた通りですねぇ」
小鉄「長? 鉄珍様が?」
鉄穴森さんの言葉に、拍手を止める。
鉄穴森「二日でなんとか出来なければ捨てるというの、アレは嘘です」
小鉄/甘露寺「ええええええええ!!??」
さらりと鉄穴森さんが言ったことに、ふたりはぎょうてん。
いや、無理もない。
どうしてそんな嘘を。得なんて何もないのに。
時透「どういうことなの、鉄穴森さん」
『そんな嘘を、どうして・・・・・・』
どがめるような目線を送ると、鉄穴森さんは申し訳なさそうに口を開いた。
鉄穴森「里長が仰るには−−−−−−−−−−−−」
ーー鉄珍「小鉄は、一本気で頭も良い。冷静な判断もできるし、分析力も秀でとる。
せやけどなぁ・・・・・・」
鉄穴森「そのせいで、己の限界を自分で決めてしまいがちだ、と案じられておりました」
ーー鉄珍「そもそも、限界なんて自分で決めたらあかんのや。
そんなん、自分の才能を自分で頭打ちにするようなもんやで」
・
限界。
それは、ある程度は知らないと駄目なものだ。
だけど、それは決めてしまったら駄目。
自分の可能性は、無限だから。
・
鉄穴森「正直、わたしは小鉄少年が諦めると思っていました。ごめんなさい」
小鉄「いえ。俺ひとりじゃ無理でした。時透さんが協力してくれたからです」
小鉄くんは平謝りする鉄穴森さんにそう言うと、時透さんの方を向いた。
小鉄「俺、零式を必ず直します。そしたら、必ず戦闘訓練に来て下さい。
必ずですよ? 必ず来てくださいね」
時透「うん。直し終えたら、連絡して」
291人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» そうなんです〜。正直、自分でも初作品なわけで、終わるっていう実感はあまり湧かないんですけど、4部作も書いてたわけで夢主に愛着も沸いていて、完結したら寂しい気持ちがぐっとくると思いますね……。はい!終わってもぜひ仲良くしましょうね! (2021年5月31日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - そうなんですか〜少し寂しいですね... 終わっても仲良くしてもらえますか... (^○^/)? (2021年5月31日 19時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» いーや、まだ終わりませんよぉ……!6月6日日曜日に完結予定ですので、それまでお待ちください!今のところ夢主は無一郎と会っていませんね。無限城が会ったのは最後です。 (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» はい、頑張ります! (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - 最終話ヤバイ!むっちゃ泣ける!!あの、聞きたいことがあるんですが... 夢主が死んだ後は、無一郎と会ったのですか?? (2021年5月30日 13時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:楪日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/
作成日時:2021年2月20日 22時