第佰拾肆譚 ページ38
時透side
甘露寺「・・・・・・ウフフ。無一郎くんと小鉄くんってば、お友達になったのねぇ」
A「時透さんに、お友達・・・・・・」
小鉄「いえ、柱の時透さんと俺となんかじゃーー」
『うん。友達だよ』
小鉄「時透さん・・・・・・?」
『前に僕が言ったことは、間違いだった』
ーー『柱の時間と君たちの時間はまったく価値が違う』
ーー『刀鍛冶は戦えない。人の命を救えない。武器を作るしか能がないから』
ーー『自分の立場を弁えて行動しなよ。赤ん坊じゃないんだから』
とんでもなく傲慢で、恥ずべき言動だった。
あの時は何とも思わなかった。何もわからなかった。
炭治郎に怒られても、くだらない話だとしか思えなかった。何一つ心に響かなかった。
あの頃の自分には、何の感情も通っていなかった。
それこそ、鬼を狩るだけの、からくり人形だった。
『今更だけど、君に−−−−−−君たちに謝りたい。ごめん。
剣士も刀鍛冶も一緒に戦ってる。炭治郎が言った通りだった』
小鉄くんの両肩が震えて、お面から透明な雫がこぼれ落ちる。
鉄穴森「大人になりましたねぇ、時透殿」
甘露寺「わたしも鉄珍様に打ってもらった刀に、何度も救われてるよぉお・・・・・・。
わあああああん!!」
A「わたしも・・・・・・。皆で戦っている。自分ができることを精一杯。
皆で皆を助け合っていて・・・・・・ひとりじゃないんだって思う」
そう。僕−−−−−−−−−−−−僕たちはひとりじゃない。
『どうして、皆泣きそうになっているの?』
甘露寺さんと鉄穴森さんなんか、顔ぐしゃぐしゃで泣いてるし。
僕が眉をひそめると、Aは隣で小さく笑った。
小鉄「時透さん。おにぎり食べたら、また手伝ってくれますか?」
『うん。一緒に頑張ろう』
僕が頷くと、甘露寺さんが僕たちを抱きしめて号泣した。
甘露寺「ご飯とかAちゃんといっぱい作るから、頑張ってね!!」
A「あのー。甘露寺さん、わたし小鉄くんのサポートに回りたいんですけど」
甘露寺「え!? なんでぇ!? Aちゃん作りましょうよ〜」
A「おにぎりが冷たくなるのは、もうこりごりなんで!」
群青の空の下、僕らは笑い合った。
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楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» そうなんです〜。正直、自分でも初作品なわけで、終わるっていう実感はあまり湧かないんですけど、4部作も書いてたわけで夢主に愛着も沸いていて、完結したら寂しい気持ちがぐっとくると思いますね……。はい!終わってもぜひ仲良くしましょうね! (2021年5月31日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - そうなんですか〜少し寂しいですね... 終わっても仲良くしてもらえますか... (^○^/)? (2021年5月31日 19時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» いーや、まだ終わりませんよぉ……!6月6日日曜日に完結予定ですので、それまでお待ちください!今のところ夢主は無一郎と会っていませんね。無限城が会ったのは最後です。 (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» はい、頑張ります! (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - 最終話ヤバイ!むっちゃ泣ける!!あの、聞きたいことがあるんですが... 夢主が死んだ後は、無一郎と会ったのですか?? (2021年5月30日 13時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楪日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/
作成日時:2021年2月20日 22時