第佰壱譚 最初で最後の ページ25
痛みを感じない技−−−−−−伍ノ型。
本来はこの技は作るつもりはなかったのに、柚音が勝手に入れたこの技。
他の技はすべてわたしが作ったけれど、これは柚音が作った技。
柚音はちょくちょく使っていたけど、わたしは今まで一回も使ったことがなかった。
きっと、これが、最初で最後の伍ノ型。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
椛はいつもの様な優しい笑顔を浮かべて、塵となって、夜に消えてゆく。
わたしは刀をすぐに仕舞い、椛に、精一杯の笑顔を向けた。
そして、完全に、夜に溶けてゆく。
鈴「ご主人様! 大丈夫ですか?」
近くの木に止まって様子を伺っていた鈴が、慌てた様子で飛んできた。
『大丈夫。日輪刀、ありがとう、鈴』
鈴「い、いえ」
わたしは日輪刀を見た。
鬼殺隊を支える柱の証である・・・・・・「悪鬼滅殺」の文字。
『椛は・・・・・・わたしにとって、悪鬼じゃなかったよ』
誰が何と言おうと、「親友」だ。
鈴「! ご主人様、あれは」
『−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−え?』
鈴の視線を追いかけると・・・・・・何やら、白い紙の様な物が落ちていた。
近づいて、拾い上げ、何気なく裏返す。
彼女が大好きな、赤色の楓の葉。
『紅葉・・・・・・』
きっと、これは栞だ。
もしかしたら昔、桐くんと杏ちゃんがあげた、紅葉だったりするのかもしれない。
きっとそうだ。
椛は本が好きだったし、間違いない。
わたしは少し迷った末、隊服のポケットにその栞を突っ込んだ。
そして、すぐに駆け出す。
鈴「ご主人様! 援護にしても、まずは解毒してから−−−−−−」
『ううん。行くよ』
ごめんね、鈴。無理する隊士で、本当にごめん。
でも、行かなきゃ、動かなきゃ、いけないんだ。
気分がとてもよくて、体が軽いのもあるけれど、それだけじゃない。
あと少しでもここにいたら、
・
・
−−−−−−−−−−−−泣きそうになってしまうから。
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☁・・❀・・☃・・☽
つ い に !
佰譚を超えることができました!
皆様のおかげです! 本当にありがとうございます!
これからも、霞柱は雪柱に振り向いてもらいたいシリーズを、よろしくお願いします!
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楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» そうなんです〜。正直、自分でも初作品なわけで、終わるっていう実感はあまり湧かないんですけど、4部作も書いてたわけで夢主に愛着も沸いていて、完結したら寂しい気持ちがぐっとくると思いますね……。はい!終わってもぜひ仲良くしましょうね! (2021年5月31日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - そうなんですか〜少し寂しいですね... 終わっても仲良くしてもらえますか... (^○^/)? (2021年5月31日 19時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» いーや、まだ終わりませんよぉ……!6月6日日曜日に完結予定ですので、それまでお待ちください!今のところ夢主は無一郎と会っていませんね。無限城が会ったのは最後です。 (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» はい、頑張ります! (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - 最終話ヤバイ!むっちゃ泣ける!!あの、聞きたいことがあるんですが... 夢主が死んだ後は、無一郎と会ったのですか?? (2021年5月30日 13時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楪日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/
作成日時:2021年2月20日 22時