第九拾七譚 ページ21
椛「何、その左頬の三つ葉みたいな、水色のやつ。めいく、ってやつ?
でもそれ、さっきまでなかったよね? え? ちょい待ち、椛、混乱」
『ごめんね。待たない』
椛「もっとおもしろいツッコミはなかったんですか!?」
横一文字に日輪刀を振る。呼応するように、リボンがなびく。
椛は軽く地面を蹴るだけで、大きく跳躍して、かわした。
・・・・・・・・・・・・・・・様に見えた。
その瞬間、椛の頸に細く赤い線が走った。
椛「え? まさか、頸に届いたの? 刃が? あなた、人間?」
『あいつと同じことを言わないでくれます?
わたしが不快だし、あんな奴に椛が影響されているなんて嫌』
椛「まさかまさかの、独占欲!?」
『・・・・・・・・・・・・・・・はぁ』
椛がまるで柚音の様にしか見えない。
鬼になると、ここまで性格が変わるのか・・・・・・・・・。
それでも。
どれだけ性格が変わり、わたしを忘れて、鬼となってしまっても。
『今も』、親友であることに、変わりはない。
『−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−ー
椛「!」
『桐くん。杏ちゃん。待雪町。お薬。診療所。柚音』
椛「や、やめて!」
『ごめん』
頸を斬らなきゃいけない事実は、変わらない。
でも、せめて。思い出してほしい。
記憶が戻ることで救われることを、わたしは知っているから−−−−−−。
『エーデルワイス。苺。−−−−−−−−「大切な思い出」』
それを口にした時、椛の目が見開いた。
手が震える。汗がどっと溢れ出る。口をパクパクさせる。瞬きを何度も。
椛「わ・・・・・・・・・・・・・・・わたしは、つゆく、さ、もみじ」
そう、はっきりと、呟いた。
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楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» そうなんです〜。正直、自分でも初作品なわけで、終わるっていう実感はあまり湧かないんですけど、4部作も書いてたわけで夢主に愛着も沸いていて、完結したら寂しい気持ちがぐっとくると思いますね……。はい!終わってもぜひ仲良くしましょうね! (2021年5月31日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - そうなんですか〜少し寂しいですね... 終わっても仲良くしてもらえますか... (^○^/)? (2021年5月31日 19時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» いーや、まだ終わりませんよぉ……!6月6日日曜日に完結予定ですので、それまでお待ちください!今のところ夢主は無一郎と会っていませんね。無限城が会ったのは最後です。 (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» はい、頑張ります! (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - 最終話ヤバイ!むっちゃ泣ける!!あの、聞きたいことがあるんですが... 夢主が死んだ後は、無一郎と会ったのですか?? (2021年5月30日 13時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楪日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/
作成日時:2021年2月20日 22時