第九拾参譚 ページ17
木々の間に、ちょこんと立つ、少女。
紅葉の描かれた着物は、彼女がお気に入りだとよく着ていたものだ。
『も、椛・・・・・・な、の。え、え』
日焼けしていない真っ白な肌や、黒髪、細腕は変わらない。
でも−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−でも。
『信じない・・・・・・信じない、そんな』
−−−−−−−−−−−−−−目に、「上弦」「陸」と書いてあるなんて。
−−−−−−−−−−−−−−口から、牙が生えているなんて。
−−−−−−−−−−−−−−その口元に、ついている赤黒いものが何かなんて。
う、そだ。
嘘、嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘 嘘。
椛「・・・・・・ん? 鬼殺隊?」
彼女は、ゆっくりと首を傾げた。
椛「あちゃー。やっぱ、いるよねそりゃ。でも柱なんてなー。
おねーさん、お名前は?」
椛の声と、ぴったり重なる。
『・・・雪城A・・・』
椛「ああ! どーまが言ってた女の子ね! 美人さん! まあでも。
・・・・・・わたしの血鬼術、花の毒でじわじわ痛めつけるものだからさ?」
刹那、彼女は手を振りかざした。
椛「血鬼術−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−水仙の瞬き」
『!』
瞬きよりも速い速度で、突き技を連発する彼女。
ぎりぎりのところでかわし、距離をとる。
『ねえ、椛なの!? なんで、なんで!?』
椛「エスパーですか!? わたしの名前は椛。だっきーたちの穴埋め要員ってわけ。
新・上弦の陸。ちなみに速度でいうと、上弦の中でも二番目くらいに速いよー」
あーあ、よけられちゃったー。と笑みをこぼす椛。
椛「次こそ仕留めるぞー! 仕留め終わったら、どうしよっかなー。
はんはんと、ぎょっちゃんが、たぶん大暴れしてるだろうし。
わたしは・・・とりあえず、ここの女の子たちを食べよっかな!」
『・・・・・・っ』
無理だ、ということを瞬間的に悟った。
椛を、禰豆子ちゃんみたいにするのは無理だ。
人をたくさん喰ってしまっている。
生かしておくことはできない。
それが、親友だろうと、鬼は鬼。
斬らないと。頸をっ・・・・・・・・・・・・!!
と、その時、ふと思い当たって、青ざめた。
・・・・・・・・・わたし、日輪刀を持っていない。
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楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» そうなんです〜。正直、自分でも初作品なわけで、終わるっていう実感はあまり湧かないんですけど、4部作も書いてたわけで夢主に愛着も沸いていて、完結したら寂しい気持ちがぐっとくると思いますね……。はい!終わってもぜひ仲良くしましょうね! (2021年5月31日 20時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - そうなんですか〜少し寂しいですね... 終わっても仲良くしてもらえますか... (^○^/)? (2021年5月31日 19時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» いーや、まだ終わりませんよぉ……!6月6日日曜日に完結予定ですので、それまでお待ちください!今のところ夢主は無一郎と会っていませんね。無限城が会ったのは最後です。 (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
楪日織(プロフ) - むいゆう大好きです!!!さん» はい、頑張ります! (2021年5月30日 13時) (レス) id: fd467e3021 (このIDを非表示/違反報告)
むいゆう大好きです!!! - 最終話ヤバイ!むっちゃ泣ける!!あの、聞きたいことがあるんですが... 夢主が死んだ後は、無一郎と会ったのですか?? (2021年5月30日 13時) (レス) id: 7da351b259 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楪日織 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/kasumi88/
作成日時:2021年2月20日 22時