5話 ページ7
暫く林の中を掻き分けて進んでいると
急に先程まで鬱陶しいほど生えていた草木は途絶えた
白竜「花畑か…？」
林を抜けた先は白い花がまるで絨毯の様に一面に広がっていた
俺はなんとなく辺りを見回しながら花畑の中を歩いた
綺麗だ
生まれてはじめてだ、こんなに花に囲まれるのも綺麗だと感じるのも
⁈
しかし俺は花ではない者に目が止まった
白竜「誰だ？」
顔は此処からでは見えないが
真っ白の花畑の中で一際異物感を放つ黒い岩の前にそいつは立っていた
花と同じ真っ白のワンピースをきた後ろ姿は
俺に気づいていなかったのか
驚いた様にそいつはこちらを振り返った
『あっ…』
目があった
俺を映す蒼い瞳
真っ白いワンピースが風に揺られている
まるで周りに咲いている花のようだった
白竜「貴様名前は____。」
俺は頭が真っ白になった
無意識にその少女の手を掴もうとした
が、青い髪の少女はすぐに気づき逃げるように走り出した
白竜「おい！まてっ」
追いかけようとした瞬間
強風が吹き沢山の白い花弁が舞い上がった
視界を遮られ
気づいた時には
少女は消えていた
ドクドクと胸が高鳴って
少女の顔が頭から離れない
サッカーや剣城の事を考えている時と似ているが全く違う
白竜「なんだ…、これは」
少女が走り去った方向を
俺は暫く眺めながらぼんやりしていた
今はもう自身の鼓動しか聴こえないはずなのに
一瞬だけ聴こえた少女の声が耳に残り他のことを考えることが出来なかった
(くそっ……、、顔が熱い…)
(http://uranai.nosv.org/img/user/data/d/4/1/d415855ce50bfcb602bfeb9bd41475d8.png)
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作者名：KASUMI | 作成日時：2021年1月20日 17時
