9話 ページ48
試合会場についたときには、もう後半戦が始まっていた
『あら、苦戦してる感じ？』
｢呑気に言ってる場合か。｣
『ふふっ、震えてるけど。武者震いかな？』
｢…わかってて聞くのはタチが悪いな？｣
さぁ
『行ってらっしゃい。』
背中は押してあげるよ。大丈夫、みんな待ってるから。
｢っ、ありがとう。｣
これで、試合の方は心配要らないだろ。彼の存在は想像以上に大きい。
あとは、もう一人のストライカー
｢ルナさん、どこいってたんですか！？｣
『それは、後でね？いまは、こっち優先。』
｢…？｣
目に生気を感じられない
『士郎』
｢ルナちゃん、吹雪くんは…｣
『分かってるよ。』
｢え？｣
完全に折られちゃったわけじゃないよね？
『来るのが遅くなってごめん。頼れなんて言って大事な時にいなくちゃダメだよな。』
｢ルナちゃん…？｣
『そうだよ。よく頑張ってくれた、見てて私たちのこのチームのプレイ。』
直ぐに立ち直れなんて言わない。そんなこときっと出来ないから。けど、少しでも周りを見てほしい。私にみたいに世に絶望した訳じゃない。
『貴方は一人で戦ってるわけじゃない。』
合わせた額から、士郎の体温が伝わってくる。暖かいはずなのに、何処か冷たい。
｢…うん。｣
『よっし、じゃあ行きますかー！』
｢選手交代！10番豪炎寺修也、19番九龍ルナが入ります！！｣
会場の熱気に包まれる。チームの士気も上がる。
｢頼むぞ！｣
｢あぁ、行くぞ。｣
『うん。』
そこからの流れは完璧雷門だった。エースの完全復活はチーム全体に大きな影響を与え、気力さえも取り戻した。
｢ルナ！｣
『人使いが荒いったら…』
｢『ファイアートルネードDD！！』｣
｢ワームホール…ぐ、ぁあ！｣
｢凄い…｣
誰かが呟いた
『また強くなった？』
｢当たり前だ。｣
｢面白い。ポジションチェンジだ。｣
出たよ自分勝手…
『ご満足いただけました？』
｢ふっ、ああ大満足だ。｣
お、ノッてくれた。
『んじゃ、後は任せるよ。サポートはするから』
｢任せろ。｣
そして、開放された新技
｢爆熱ストーム！！｣
ピッピッピー
｢試合終了！！3-2で雷門の勝利だー！！！！｣
『ふぅ…』
一気に気が抜けた。
お？円堂とデザームがなにか話してる
『！！来る…』
｢無様だな、デザーム。｣
｢ガゼル様っ！！｣
｢分かっているね、君たちイプシロンは用済みだ。よって追放する。｣
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作者名：りぃん | 作成日時：2017年4月1日 1時
