5話 ページ44
｢気がついてたんだね。｣
そりゃ視線すごかったからな！！
『わかり易かったよ。』
隠れる気がないだろこいつら
｢んで？一人ここに残ったっつー事は何されても文句ねぇんだろ？｣
もうやだ南雲くん
『そっちの子、誰？』
｢涼野風介だ。｣
｢ガゼルって言うんだよ。｣
前から思ってたけど、なんで名前がいくつかあるんだろう？
『…よろしくね、涼野君』
｢なんで俺たち苗字呼びなの？名前呼びの人もいるのに。｣
逆になんで名前で呼ばれると思ったの？
『別に親しくないし。』
｢親しくなきゃダメ？｣
『抵抗はある。』
｢じゃあ、親しくなろうよ。｣
お断りしたいかな
あ、そうだ…
『南雲くん』
｢あ？｣
『さっき、傷つけちゃってごめん。』
理由はよくわからないけど、明らかに傷つけたのはわかった
｢、名前｣
『え？』
｢晴也って呼べ。それで許す。｣
『…』
これは拒否できない、よね
『晴也、ごめんね。』
｢おう｣
“拒絶だけは辞めてくれよ”
そう、聞こえた気がしたのは気のせいだったのだろうか
『ね、私に用があるから待ってたんでしょ？』
｢迎えに来たのだ。｣
『迎え？エイリア学園に入るつもりは無いよ。』
｢ああ、勘違いしないでね？奴らに渡すつもりは無いよ。
｢私達の所有物とするだけ。｣
所有物…所詮お人形さんかな？
『お断りするよ。』
｢所有物って言い方が気に入らなかったの？なら、俺たちのそばにいてよ。｣
『それもあるけど、やっぱり出来ない。』
気に入らなかった？
そばにいて欲しい？
そんなの知らない
『皆、私の何を見てるの？誰と重ねてるの？』
｢違う！！重ねてるんじゃないんだよ！！｣
『っ！！』
突然、肩を掴まれて叫ばれた
｢重ねてるわけじゃない…君自身が欲しい…｣
｢そんなに、雷門がいいのか。あいつらの中にもお前をどこか信用してない奴だっているだろ？｣
『雷門がいいんじゃない。』
私のことを信用しきれない奴がいるのはとっくに気がついてる。
『私は帝国の選手。雷門の選手じゃない、誰がなんと言おうと、私が最後に帰るのは帝国だから。』
勘違いしないでね？
『有人や、士郎が私に執着してるのは気がついてる。けど、理由がわからない。君らもそう。その理由が知りたい。私の知らない事、全部知りたい。』
｢…｣
『覚えてないことがあるなら思い出すから。もう少し、待っててよ。』
−ねえ、大好きな神様−
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作者名：りぃん | 作成日時：2017年4月1日 1時
