3話 注意 ページ42
ザワッ
｢ヒロト…！！｣
｢チッ｣
上から聞こえた声は基山ヒロト…グランのもので、自身がエイリア学園だということをバラされた南雲はとても不愉快そうだった
｢っ！ルナ、逃げろ！｣
『は…？ぐっ！？』
いつの間にか背後に回っていたのか南雲に捕まった
｢あーあ、せっかく上手くいくかと思ったのに…グランよぉ、アンタのお気に入りがどんなもんかと思って来てみれば…｣
その言葉の続きは言わなくてもわかった。期待はずれだったのだろう。
どうもこの男の考えはわかりやすいところがある。
｢そんな事は今はどうでもいいよ。｣
｢どうでもいい！？｣
吹雪のどうでもいいという発言にザワつく雷門
｢その子を返して。｣
｢ハンっ、やだね。｣
『うっ…くぅ、はな…してっ！』
こいつ、触り方やらしっ！！
｢お前らに返す必要なんてねーよ。なぁ？ルナちゃん。｣
そういって服の中に手を入れてきた。
『っ…やめ…、ん、ぁっ！？』
｢バーン！！｣
｢お前だって欲しがってたじゃねーか。それに、四神の1角と崩壊寸前の月読にこいつを守りきれると思ってんのか？｣
｢黙れ！！｣
｢貴様…｣
ぞわっとするほどの殺気がその場に溢れる
あぁ嫌だ。止めなきゃ…止めなきゃダメだ。
『や、めて…ん、あの2人を…は、ぁっ！傷つけない、で…！』
｢な、んで…なんであいつらの味方するんだよっ！！｣
｢！！やめろ、雷神！！｣
雷神…？
『あぐっ！？』
じゅるっ、ちゅ…じゅるる…
｢ん…ふ、んんっ｣
『痛っ、ぐ、ぁ…ぅ、あ、』
血を、吸われ、てる…？
どんっ
そう思った瞬間、私の後ろにいたハズの彼が遠くへ飛ばされた
｢何している？｣
『はぁはぁ、ヒロトっ』
｢ってぇ…は、んだよ…そいつを俺に盗られるのが怖いか？｣
｢黙れ、彼女はお前のものじゃない。｣
｢そんな事言ってるお前こそ独占欲丸出しだぜ？｣
少しずつ、2人の姿に変化が現れ始めた。
纏うオーラは人間離れし、目も人外じみている
｢チッ、帰れバーン！！｣
｢ふん、せいぜいお姫サマを守れるよう頑張れよ｣
そう言って、2人は消えた。
｢ルナちゃん！｣
『大丈夫…大丈夫だよ、秋。』
心配の中の疑い
｢大丈夫に見えないって｣
｢ルナ、｣
『有人、あれ、何？』
上手く、言葉を話せない
傷つけてしまった。何故かその罪悪感が私から抜けなかった。
嘘の隠れる雷門より、彼らの方が心配で仕方ないのは何故だろう
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作者名：りぃん | 作成日時：2017年4月1日 1時
