2話 ページ32
｢円堂くん、その男の子は本当にヒロトと言ったの？｣
陽花戸中にきて二日目の事、円堂曰く“ヒロト”と名乗る少年からサッカーの試合の申し出があったとのことで今相手が来るのを待っている。
｢はい！｣
瞳子監督はその名前にどこか引っかかる所があるようで何度か円堂に確認していた。
と、その時突如周りに黒い雲谷がかかり始めた
｢これって…！｣
｢エイリア学園！？｣
｢ヒロト…？｣
｢さあ、円堂くん。サッカー、やろうよ。｣
中から現れたのはいつもとは違う雰囲気を纏ったヒロトと、そのチームメイト
『やっぱり…』
｢おいウルビダ、なんで俺らが雷門なんかと試合するんだ？｣
｢あいつが勝手に決めたんだ。｣
好き勝手言われてるけど、正直言い返す気になれないな。他の人聞こえてないみたいだし。
｢ヒロトお前…エイリア学園だったのか？｣
｢エイリア学園マスターランクチーム、ザ･ジェネシスのキャプテン、グラン。｣
『！！』
今一瞬目が合った
｢まだそんなチームがあったなんて…｣
｢吹雪くんはFWにはいって。｣
｢はい…！(僕が、点をとるんだ)｣
｢頼むぜ吹雪！｣
｢いつもみたいに点をとってくれよ！｣
だめだ。これじゃあ、吹雪の負担が大きくなるだけに
｢うん。｣
(あいつらが期待してんのは俺だ、変われ。)
(ダメだ！僕が打つ！！)
『士郎、無理して打たなくていいよ。私もいるんだ。頼ってね』
｢ルナちゃん…ありがとう。｣
気休めにしかならないかな
『…君は、何か用？』
｢驚かないんだね。オレの事。｣
『昨日も言ったでしょ。なんとなくそんな気がしてたから。』
｢ふーん…彼とは、吹雪くんとはどんな関係？｣
は？
『何急に。』
｢ちょっと、手を出さないでくれないかな？｣
『わっ』
吹雪の腕の中にスッポリハマってしまった。細いと思ってたけど、案外男の子だった。
｢邪魔しないでよ。｣
｢したつもりは無いよ。｣
『ちょっと2人とも…？』
周りの空気が震えてるのが分かる
｢試合を始めよう。楽しもうね、月読命。｣
｢…｣
月読命？って、
『痛い痛い痛い！頭くるのはよく分かったから私に当たらないで！』
｢あ、ごめん。｣
知り合いみたいだったけど
いまは頭の片隅において置こう。
試合に集中しなくちゃ
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作者名：りぃん | 作成日時：2017年4月1日 1時
