9話 ページ27
双子…？
『双子って…二重人格ってこと？』
｢そう。こっちが僕、吹雪士郎だよ。｣
それから、彼らは全て教えてくれた。家族のこと、兄弟のこと、雪崩の事故のことやその後の事。
『っ…。』
｢ルナちゃん、泣かないで？僕は大丈夫だから。｣
『ごめっ、なんで…でもっ止まんな、って…』
不思議と涙が止まらない。まだ、出会ってそんなにたっていないはずなのに。他人の事なんて、私にはどうでもいい筈で、況してや少しでも家族と幸せに暮らしてたやつなんて。
なんで、止まらないの？
貴方は私にとって何？
｢ふふっ、ありがとう泣いてくれて。君は本当に変わらない。優しくて、そばに居るだけでこんなにも落ち着くんだ…。｣
変わらない？
『私の事知ってるの？』
初めて会ったのはついこの前だよね
｢…今はまだ知らなくていいよ。直ぐに知らなければいけなくなってしまうからね。｣
悲しそうな目をして私の肩に顔をうずめた。
｢話したお礼って訳じゃないけど、僕のお願い一つだけきいてくれる？｣
『うん？』
吹雪の手がいつの間にか私の背中に回っていた。
｢何処にも、行かないで。僕を置いていかないでっ…。｣
ここで振り払ったら今にも壊れてしまいそうなほど、震えていた。
こんな弱っている吹雪を振り払うことなんて私には出来ない。
『うん、行かない。置いていかないから、大丈夫だよ。』
気持ちに答えるように、私も吹雪の身体を強く抱き締めた。
『だから、私にも頼ってね。このチームのストライカーは君だけじゃない。私だってある程度は出来るんだから！ね、士郎。』
少しでも彼の重荷を外せますように
｢な、名前…えっ｣
わ、顔赤くなってる可愛い。
『だって、君は吹雪士郎でしょ？ね、ダメ？』
｢ううん、嬉しいよ。…キスしていい？｣
何 言 っ て ん だ こ い つ
『ダメだよ！？』
｢残念。それはまた後でにするよみんなの前ででも、ね？｣
『！？！？』
｢戻ろう、明日に響く。｣
何それ、今絶対顔赤いよ…
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作者名：りぃん | 作成日時：2017年4月1日 1時
