【イナイレ】呪いを継いだ少女の巡る物語 (ページ17)

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7話ページ17

ドォーン！！

試合続行不可能が分かったと同時に起きた爆発音。
両選手とも慌てて逃げ出すが、

｢キャプテン！お兄ちゃんが居ないんです！！｣

｢鬼道が！？｣

正義感の強い鬼道は影山に直談判をしなければ気が済まなかった。

｢…あいつなら大丈夫だ。｣

｢っ…｣

『逃げるよ、春奈。』

兄を思うこの子の手を引いて私は外へ逃げた。

『(勝手にくたばらないでよ、有人！)』

そして…

影山は潜水艦と共に海に沈み、行方をくらました。

『なんで、あんな事したの…』

｢力が欲しかった。｣

『もう二度と使わないって約束したじゃん…！』

自分でもふたりを困らせてることは分かっていた。
それでも、自分を抑えられなかった。

『あれが危険だって分かってから、もう二度と使わないからって言ったじゃん…』

｢なんでお前が泣くんだよ、悪かったって。｣

『ばか、ばかぁ…うっ、ひっく…うぅっ』

抑えようとしても涙は止まってくれない。

｢悪かったから泣くな、泣き止んでいつもみたいに笑ってろよ…。｣

(自由にからだが動かせなければ、涙さえ拭えないのか。)

『ごめっ、ゴメンなさい…。帰るから、帝国に帰るからぁ…もう使わないで。』

｢待ってる。｣

『ん、待っててね。』

今出来る精一杯の笑みで2人を見送った。

『責めてくれた方が、いっそ楽だったのにね。ねぇ？』

後ろから見守ってくれていた円堂と秋に問いかけた。

｢それは…｣

｢責めないぞ。誰もお前を責めるつもりなんてないんだ。｣

『有人？なんで責めないの…私のせっ！？』

｢違う。お前は何も悪くない。だから、泣かないでくれ。自分を追い詰めるな。｣

私を包んだ有人の体温は優しく暖かくて、どこか懐かしく感じた。その温もりに包まれながら、私は意識を手放したんだ。