三一、 ページ32
あの日から一ヶ月が経った。
お仕事も変わらず順調。
雑誌や呼んでいただいたバライティー番組の収録、
そしてレコーディング、リハーサル。
情報が解禁されると喜んでくださるファンの皆さん。
マネージャーさんも、事務所の方も、関係者のスタッフの皆さんにも
なにかとお褒めの言葉をいただく。
ただ、なぜか私はモヤモヤしている。
毎日不安で怖くてどうしようもない。
まだ誰にもバレていないようだけど、ふとした瞬間に
それも自分が気がついた時には既に涙が出ている。
私は今、自然に笑えているのだろうか。
家に帰ると襲われる虚無感。
“あぁ、私はもうダメなのかもしれない。”
“きっといる意味がない。”
いつにも増してネガティブな感情が次から次へと湧き出てくる。
怖い。
一人が怖い。
あの母からの連絡の後何度か家族とやり取りはしているが
仕事の都合や久々のオフになっても家から出る気力もなく
実家に帰れていない。
あれ？私いつ実家に帰ったっけ？
忘れてしまうくらい帰りたい。
逃げ出したい。
『誰にも頼らない。』
私以外誰もいない冷たくて暗い部屋で一人そんなことを言っていた。
『はぁ、、、、疲れた。』
『疲れたよ。』
一度言葉に出してしまうとより辛く感じるもので、
これはまた別な話になってしまうのかもしれないけど
病は気からってこういうことかもと一人で納得する。
どうしよう。
自分じゃどうすることもできない。
かと言って誰かにこれを言ったところでどうなる？
わからない。
自分のことが1番わからない。
こんなこと思ってる自分が嫌い。
気持ち悪い。
消えたいよ。
泡になって、誰にも気づかれずに、
一瞬で。
それか、元々自分がこの世にいなかったことにならないかな。
、
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作者名：カ | 作成日時：2023年1月19日 3時
