7 ページ7
.
｢私がさ｣
ジョングクは、一度俯いてまた顔を上げた。
｢なんで皆をヒョンって呼んでるか分かる？｣
いいえと言ったジョングクに、私ははにかんでこう言った。
｢対等になりたいからよ。｣
JK｢？ヌナは最初からヒョン達と対等の実力を持ってます｣
｢そうじゃないんだよ。 男と女の差ってやっぱどうやったってあるし、皆が私を女として認識してなくても他の人からみたら女だし、どうやったって私は紅一点だ。
でも、だからと言って、オッパって甘えたくないんだ。 皆に妹だって、守られる対象だって思われたくないんだ…私の言ってること、分かる？｣
ジョングクは、すこし悩んだ後、さあと呟いた。
｢そっか。 でも、だからこそ、私は今日も皆と肩を並べるべく、頑張るのだ！ さ、そろそろ舞台裏へと移動する時間だよ。 行こ？｣
私が思いっきり立ち上がると、ジョングクが私の袖を掴んで引き止めた。
JK｢ヒョン達に甘えたくないんだったら…弟の俺に甘えたらいいだろ…｣
俯いた小さな声だったが、ハッキリと聞こえた。
私はそれがなんだか可愛く思えて、座ったままのジョングクの顔をのぞき込むようにしゃがんだ。
｢私はもう充分ジョングクに甘えてるよ。 今とか、ね。正直、私が1番辛い時に1番一緒にいてくれたの、ジョングクなんだよ？ 今度は、私が君になんかする番なんだよ｣
と言うとジョングクは私をいきなり抱きしめた。
え、ちょっと。
そんな事を言う前にジョングクは言葉を発する。
JK｢ステージ前にゲロってマンネに介抱されてたの誰だっけ｣
｢うっ…痛いとこ突くな…｣
JK｢俺に甘えてるって感じてるなら、まだ甘えてて欲しいよヌナ。 返すのは、まだ先です。 俺、自分のありのままにダンスしてるヌナの方がキラキラしてて好き。｣
あまりにも真っ直ぐなその目に、私は視線を外してしまった。
こんな立派な弟分がいるチームでよかったと、思わざるを得ない。
どこか遠くから、私とジョングクを呼ぶ声が聞こえる。
私達は弾かれたように呼ばれた方向へと走って行った。
JK｢後でうんと恩返しさせるから、今だけは俺らに守らせて欲しいです｣
と走りながら言うジョングクに私は照れくさくうん、と頷いた。
その日のステージは、途中から掲示板の事を忘れてしまっていた。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1576人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カエデ - 後、名前がちゃんと表示されないんですけど、私だけですか? (2019年5月11日 19時) (
レス) id: fd64fe21bc (このIDを非表示/違反報告)
カエデ - めっちゃいいです!!更新頑張ってください! (2019年5月11日 19時) (レス) id: fd64fe21bc (このIDを非表示/違反報告)
ジンくんペン(プロフ) - この作品中ではこのゆんぎさん以上のシーンはもうないのですか！？(´；ω；`)この作品すっごくドキドキするんですけどこれ以上無いのは寸止めすぎてうわああ！！ってなりますね！(´；ω；`)そういうのが苦手な方にとってはそのほうがいいですもんね…長文失礼しました！ (2019年2月10日 23時) (レス) id: 188cd0aa9c (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - SHIORIさん» 応援コメントありがとうございます。更新頑張らせて頂きます！ (2019年2月8日 22時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
あるちょん(プロフ) - もむ。さん» 7話辺りで、夢主が他の兄メンバーをヒョンと呼ぶのは対等になりたいからだということにしています。現地の人でも仲のいい女の先輩の事をふざけてヒョンと呼ぶ事もあったりするそうです。指摘コメントありがとうございました！ (2019年2月8日 22時) (レス) id: 90ee41565f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あるちょん
| 作成日時：2019年2月6日 21時
