大丈夫の合図〈赤〉2

サンブンノイチ ページ43

それからは…薬の量が増えるとか

その薬の副作用が出てるだとか、



オレの身体にまつわること全部教えてくれた……



「…………ずっと黙っててごめんな……神ちゃんも……」

「………ううん、………」

『一人でそんなデカい物背負わんでええんやで？
これでツラいこと3分の1な？』



「………………………っ………そうやね……ありがと」


涙を流しながらも…Aは微笑んだ



「私ね、………シゲと神ちゃんに会えて………ホンマによかった…」


そんなん、………
『オレも思っとるで？』


Aと出会って、神ちゃんと出会って


なんで思い出せんのやろって…後悔も少しあるけど、


覚えてなくても、……Aと神ちゃんはきっと、
前と変わらんように接してくれてるんやろな、

『ごめんな………』

「「何が？」」


『オレに会うのもういややとか思っても口に出さずに……
飽きずにオレのところ来てくれて……』


「シゲ、……私な……一時期シゲから離れとってん」

『…………うん………』

知っとる、神ちゃんに後悔するで！？って言われてAに会いに行こうとしたけど

結局倒れて……Aの世話になったっけ、


「でも、またこうして会いに来てる……」

『おん、………』

「それはね、………シゲとおるのがツラくなったから……
シゲの行動全てを過去のシゲに結びつけちゃう自分が
イヤになって………シゲから逃げた…………

やけどね、………逃げたけど……シゲはまた来てくれた
ツラいこと以上にシゲが笑顔にしてくれたやからね
……………またここにいる……シゲのそばにおるんや……」


「全部……シゲのおかげやで？」


「シゲ、……私と出会ってくれて“ありがとう”」


ズキン………頭がに激痛が走った

歪んでいく世界のなかで


“…シゲ…………ありがとう”


たったその一言がリピートされていく



そのうち小さな女の子と重なりあうAの姿

““………シゲ………ありがとう””


そして、オレの世界は真っ黒に染まった

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