大丈夫の合図〈赤〉2

問いかけ ページ33

prrrrr……

シゲの病室からでて、待合室の
ソファで座り込んでいると
バッグに入れていた携帯が鳴り出した



「………もしもし、…………」


固定電話とだけ表示されたスマホを耳に傾けてみると


〉A？ゴメン…オレ、神山…

聞き馴染みのある声で少しホッとした

「神ちゃん………」
〉携帯Aが持っとるってマスターが……


バックの中を見てみると確かに入っていた……

いろんな事がありすぎて……
「ゴメン、完全に忘れてた………」
〉Aが持ってることが確認できてよかったわw
ありがとう…落とした方がもっと大変やったし、
持っとるだけで十分やで、

「………今、総合病院におる…………」

〉もしかして、………………

「神ちゃんの携帯見て、………探しとったら……過呼吸になって倒れとった……」



〉A見つけ出したんか、……
「………神ちゃん、……今から来れる？」

〉すぐに行くわ…


電話したところが近くの公衆ボックスだったらしくて
10分ほどで駆けつけてきた

「神ちゃん…ハイ、携帯…」

「ゴメン、ありがと、」

「……ううん、……それより、シゲのところ行こうや？…」

「うん、……」


いつもは多い人が駆けつけている病院もこの時間は人がほとんどおらんくて、
私たちだけしかおらんような感じやった……

2人の足音しかしないフロアでポツリと呟くように言った


「シゲな…………もう長くないって言われた………」

「……………えっ？？………」

明らかに動揺している声…


「そろそろな…………メンバーにも、社長にも……打ち明けてええかな？」

「……3人の………約束………」
「……でも、…黙っておくには………あまりにも、……」

「………そう……やな……」


［ジャニーズWEST:Aが1件のメッセージを送信しました］


“A:明日、総合病院にメンバー全員集合”

「なぁ、Aシゲに長くないこと言うん？」





スマホから神ちゃんを見上げるとまっすぐ私を見て問いかけた

約束→←泣き笑い

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す