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ある人の過去 ページ17

)重岡さん点滴ですよ、

『あっ…………………はい。……』

泣きつかれて寝てしまったんか、すっかり日は東に傾いていた


『…………大切なものを忘れとるってツラいですね、………』


)……………でも、………重岡さんの心の中には残っていますよ、きっと

『………そうなんですかね、………』


そう言って、窓から見上げた空は綺麗な茜色に染まっていた。

)太陽ってね、沈むときが一番明るいみたいですよ?

『綺麗ですよね、……………』


この空の下、まだ、泣いとるんやろか


泣いているのであれば………今すぐにでも抱きしめてやりたい



わかっとるよ、…………オレの存在がAを苦しめとることくらい



『……………わかってるんです。……オレの存在がアイツを苦しめてることくらい』



『オレが記憶をなくさなければ。
オレがこんな病気にかからなければ。

アイツに苦しい思いさせんでよかったんやけどな。』

)……………そんな自分のこと思ってくれる人がいて幸せですねAさんは……


『………………そう……ですかね?………』



)そうですよ、…………

『………看護師さん?どうしました?』


)ごめんなさい。………ちょっと、……涙止まらなくて、……




『……ふっ、…………』



)…………なんで、………なんで笑うんですか、………



『………いや、…………人のことなのに親身に聞いてくれるんだなーって』


)…………私の幼なじみもこの病気にかかりました。…
『えっ??………』

)重岡さんと同い年の……子で、私が高校生の頃のことです、

『………………』

)忘れもしません。当時別々の高校に行っていたけど、
毎日待ち合わせて同じ電車に乗って、別々の駅で降りる……
そんな日々を繰り返していたある日、彼女の顔色が悪かったんです。

『…………………………………』

)大丈夫?って声をかけるとちょっと体調悪いだけ!
って答えて、彼女の駅まで見送り、
胸のざわつきを抱えながら学校へ向かいました。
夏が過ぎた…9月の下旬のことでした。
学校で授業を受けていると…教師が顔を真っ青にして
「今すぐ荷物片付けて病院行け」って言われて、頭真っ白で、


『そりゃ……………そうなりますよ、……』

)病院に向かって話をしていくにつれてそ、
彼女がこの病気にかかっていたことを初めて知りました。
それから数日後、

彼女は、私の側からいなくなりました。

今も、生きているのか死んでいるのかさえわかりません

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小瀧あや - はじめまして!『大丈夫の合図』大好きです!めちゃくちゃ面白いです!!続きがすごく気になります!!更新頑張ってください!!ずっと応援してます! (2019年2月25日 17時) (レス) id: 9d8f0fb8f4 (このIDを非表示/違反報告)
華連(プロフ) - ポムポムさん» ありがとうございます 。Twitterからわざわざ飛んでいただけて嬉しいです! 応援してくださると嬉しいです! (2019年2月14日 21時) (レス) id: e2261ab718 (このIDを非表示/違反報告)
ポムポム - はじめまして!Twitterから来ました!すごくすごく大好きな作品です。応援してます! (2019年2月14日 17時) (レス) id: 3a55ec88ab (このIDを非表示/違反報告)
華連(プロフ) - aya kaさん» ありがとうございます コメント感謝しかありません更新頑張られせていただきます。ありがたすぎて頭が上がりません……。 (2019年2月10日 21時) (レス) id: e2261ab718 (このIDを非表示/違反報告)
aya ka(プロフ) - こんなに涙が溢れた小説は初めてです、、!更新頑張ってください! (2019年2月10日 10時) (レス) id: fd40078a51 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:華連 | 作成日時:2018年12月12日 16時

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