アレスの天秤の実験台 2 (ページ6)

今日:8 hit、昨日:6 hit、合計:5,700 hit

8ー4 ページ6

『私は極一般の逢坂家の長女として誕生したの』

『幼少期に父親が交通事故で亡くなった。それで、母親は精神崩壊飼育放棄するようになった。』

『母親は知り合いから英才こどもセンターの存在を聞かされ、私はあなたにいい教育を受けさせるために施設に入ってと言われ断ることもできず従ったんだ。』

『後からよくよく聞くと、父の事故はアレスの計画通りだったらしい。ずっと前から私を施設に入れるため家に訪れていて、父が断り続けた。それに苦労した大人たちは父を事故に合わせた』

「お父さんが夢香を守り続けてくれていたんだね」

『うん、でも私には生き別れの妹や弟がいるらしい。父が違うけどね。』

「お母さんが再婚か…」

『施設に2歳で入った。物心着く前に入ったので家庭や親の顔はあんまり覚えてない。』

「妹や弟は入ってないの？」

『うん、きっと。わからないけど…あったことないから、確信は持てない。』

『施設に入ってから、物心付いた時にこの世の中は皮肉で腐っている。と聞かされたんだ。』

「2、3歳でか…」

『うん、だから、私たちがこの社会を変えなければならないと教育されてきた。幼かった私はそれが正しいと思って生きてきた。勿論逆らわず。』

『そして、施設に入った次の日から教育が始まった。』

『電機メーカー月光エレクトロニクスが開発した新世代教育プログラム
幼少期から遺伝子レベルで分析することでスーパーコンピュータAR2000によってその子供に合った最適なプログラムを提案して英才教育を受ける事ができる。
この教育を受け終えた者はどんなことも完璧にこなす人間になれると言われた。
人の運命を変える、世界を変える力がある、と大人たちに言われて来た。
様々な分野で可能性があるもの、家庭の事情で施設に入ってきた人が教育をうけ
受けた人間はアレスクラスターと言われてる。』