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時間的には休憩時間だろう。
けれど、一応勤務中だ。
先輩をチラッと見て、顔色を伺う。


「なんで俺を見るんだ…?」

「自由に交換してくれよ」

『ありがとうございます。』


こういう所、ゆるいな〜って思う。
こんな調子で警察官として大丈夫なのか?大雑把すぎない?
そんなことを思いながらこうちゃんのスマホに表示されたメッセージアプリのQRコードを読み取る。


「うん、登録できた。…今日は、助けてくれてありがとね。」

『ううん、これが仕事なので。』


これが仕事なので。なんて格好良く言ってみたけど。
こうやって認めてもらえると、すごく嬉しい。


「警察官ってかっこいいね…」

「だね。これが友達って誇りだよ。」


かっこいい、誇り…。
同年代の人達にそう言って貰えるなんて思ってもいなかった。
大変だな、とか思うこともあったけど、やっぱり素敵な仕事だ。


「さ、帰るとするか。今日のことは、この4人だけの秘密ってことで…な?」


さっきのことは上には報告しないのか。
まあ不良たちは先輩が喝を入れたみたいだし、
きっともう大丈夫だろう。
これ以上大事にしたくないという先輩の考えだろうか。


「はい。助けていただき、ありがとうございました。」

「じゃあAちゃん、連絡するから、また会おうね。」

『うん、いつでも暇だから連絡して。』


そう言って私たちはそれぞれの道に別れて行った。
久しぶりに、中学の同級生に会った。
ろくな思い出がなかったけれど、あれも青春か…。


「こうちゃん?って人。面白いな。」

『ふふ、そうですね。』




『私の唯一の友達なので。』


それから先輩と私は色々な雑談を交わしつつ警察署に戻った。
帰る途中に判明した衝撃の事実。
それが署での勤務中、片時も頭から離れなかった。


「 そういえば、こうちゃん?ってやつがな、“Aはなかなかに変な奴でしたよ” とか言ってたぞ。」


うーん。
こうちゃんに変な奴って思われてたの…?
信じられない。
私なんかよりこうちゃんの方がよっぽど変な奴なのに(失礼)

というより、山本さん、って方。
同い歳くらいに見えるのに、圧倒的おしとやかさ。
ああいう男性は包容力があって羨ましいな。
私にもそういう能力つかないかなぁ…。


まぁいい。
とりあえず、定時に上がれるように仕事を済ませよう。
思い出に浸るのなんていつだって出来るんだから。





(なんかこうちゃん中心になってない?)

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作者名:Karen | 作成日時:2020年4月26日 23時

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