You are working hard【ymmt】 (ページ21)

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｢は、｣

山本さんが驚くのが分かる。
こうちゃんはニヤニヤと笑っている。

｢それって、どういうこと、？｣

山本さんは私に聞いてくる。
どういうこと、って。
そのままの意味なのに。
聞き返されると緊張しちゃう…。

『お好きなように捉えていただいて大丈夫です。』

私も素直じゃないのだ。
仮面を被って冷静なフリをする。
これでも警察官だから、ポーカーフェイスは得意だし。

｢…すっごく嬉しい、、｣

そういう山本さんは今までに見たことないくらいに顔を赤く染めていた。
それを腕で隠しているのが格好いい。
そう思っているのが顔に出たのだろうか。

｢いやA、顔赤すぎない？｣

こうちゃんがクスクスと笑いながら私に指摘をする。
自分の頬に体温が集まっているのがわかる。
否定したいけど否定しようも無い。

｢Aちゃん、、｣

山本さんに名前を呼ばれ、恐る恐る彼に視線を合わせる。

｢僕と、付き合って、くれますか？｣

はっきりと。私の目を見て、彼は言ってくれた。
さっきまでとは違い、想いが通じ合っているのが分かる。
それが、すごく嬉しい。
もちろん返事は決まっている。

『ーーー！』

私が発した言葉が引き金になったかのように、山本さんは私を抱きしめる。
あ、こうちゃんのこと、空気みたいに扱っちゃった。
そう思いこうちゃんの方を見ると、スマートフォンがこちらに向けられていた。
…ん？

｢あ、バレた｣

もしかして、、こいつ！！！

『ねぇ待って、？今撮ってた！？』

こうちゃんのスマホを伏せようと手を伸ばす。
でも山本さんが引っ付いていて上手く動けない。

『ちょ、山本さん、！撮られてるんですよ！？いいんですか！？！？』

｢別にいいよ、大切な思い出だもん。｣

ツンと言い放つ彼に、こうちゃんはつまらなさそうな顔をする。
うわぁ、、ご愁傷さまです、。

｢じゃあいいよ、この動画、会社で大音量で流すから。｣

は…？
今こうちゃん何て言った？
会社で流す…？

『ちょっと待ってよ、それは違うじゃん』

暴走を止めたくて、こうちゃんに手を伸ばす。
その瞬間、ぐいっと手が引かれる。

『わっ、』

｢何でAちゃんはこうちゃんと親しいの？｣

『え？』

山本さんの少し傷ついたような言い方。

｢こうちゃんの事は呼び捨てだし、タメ口だし。｣

『それは、同級生だからですよ、、』

うーん、今のはタメ口で返すべきだったのかな。
どうしよ、、変な雰囲気になっちゃった。