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そんなこんなで午後の仕事は終わった。
仕事といってもほとんど電話対応しているだけ。
地域のパトロール行けないのつまんなかったなぁ。
色々考えながら着替えていると、もう19時になりかけている。
やばい、と思い急いで退社する。
外へ出ると、少し離れたところに山本さんとこうちゃんがいた。
待たせちゃってる…。
申し訳ないと思いつつ、2人の方とへ近付く。
よほど話に熱中しているのだろう。
私が近づいているのに気づいていないようだ。
2人の1mほど後ろに着いた。
話し込んでいるようで、声が掛けづらい。
盗み聞きになるようで申し訳なかったが、会話が聞こえてしまう距離にまでなった。
｢でも、Aのこと、好きなんすよね、？｣
こうちゃんが山本さんに聞いているのが私の耳に入り、顔がカッと熱くなる。
いや、いやいや、何勘違いしてるの？
山本さんは別に、私の事好きとか言ってないじゃん、
頭がまともに回転しなくなってきた。
山本さん、何と答えるのだろう…。
これで嫌いだ、とか言われたら私どうしよう。
｢そう、だけど。好きって伝えてこの関係が壊れるのは嫌でしょ。｣
山本さんがこうちゃんに言う。
きこえ、ちゃったよ？
私、どういう顔したらいい？
1回戻って、、今来ました、みたいに走ってくる？
どうしよう。
働かない頭を必死に働かせる。
すると、まともな考えも浮かばぬまま、こうちゃんと目が合う。
やっば。
｢え、！？A！？…もしかして今の…｣
こうちゃんが焦って口を開く。
今の、聞いてたかってことだよね。
私の表情を見たら、聞いてたことなんてわかるでしょ。
ここで嘘をついても意味がない。
正直に言おう。
『盗み聞きするつもりはなくて…』
熱くなる顔を誤魔化すように、ぱたぱたと手で仰ぐ。
山本さんだって、この顔みたら、私の気持ち、分かっちゃうよね。
なんて、返されるのだろう。
そう、不安に思っていると、
｢ごめんね、いたの気づかなかった。お店、予約してるから行こっか。｣
と、返してきた。
それはまるで、今のことは全て無かったかのように。
私は何が起こったのか分からなかった。
こうちゃんも、少し困惑しているようだ。
どうして、そんなに冷静なんだろう。
少し前まで感じていたドキドキは、消え去った。
私が期待したものとは、全然違う展開。
足が固まったように動かない。胸が痛くて、気持ち悪い。
そんな私を不審に思ったのか、山本さんは口を開く。
｢どうしたの？早く行こう？｣
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作者名：Karen | 作成日時：2020年4月26日 23時
