※産後うつ fkr ページ10
※コウノドリを見て、これを読んだ方に産後うつについて少しでも知っていただきたいと思い、私の姉の実体験に基づいて執筆しました。不快な表現等ありましたらコメントで指摘をお願いします。
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side:you
どうしたらいいか分からない。
誰にも、認めて貰えないから。
私はQuizKnockという会社でで働いている福良拳と結婚し、約1ヶ月前には第1子を出産した。
幸せな、温かい家庭を想像していた。
でも、現実はそんな上手くいかなかった。
子供の世話となると、母親がやらなくちゃいけないことが多い。それが上手くいかない。
自分でこの道を選んだのに、子供に素直な愛情を注いでやれない。
そんな自分が嫌で嫌で仕方がない。
もう、こんな現実から逃げてやりたい。
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｢A、今日はもう休んで。お母さんが倒れちゃこの子も不安だよ。｣
そう言いながら、彼は赤ちゃんを抱き上げる。
…なんで。
なんで母親である私の役目を奪うの。
母親でなくなった私は何をして生きたらいいの。
そんな複雑な思いがグルグルと頭を巡る。
『っ、私の仕事、取らないでよ！』
思ったことを、そのまま言った。
苦しかったから。
自分の思いの吐き出し方がわからなくなっていたから。
『返して』
そう言って私は旦那である彼を睨みつけた。
なのに、彼は私に怒ったり、怯えたりしなかった。
｢この子の母親はAだけだよ。だからこそ、Aが倒れたら、ダメじゃん。｣
｢自分が無理してるって気付いてよ。僕だって、この子の父親でありAの旦那なんだよ。｣
｢どっちにも負担をかけたくない。そう思うの、おかしいかな？｣
私の目を見つめてそう言った。
彼は口数が多い方ではなかったので、より真剣さが伝わってきた。
旦那にわざわざこんなことを言わせてしまうなんて、嫁失格だ。
今までの苦しさと重なり、涙がこぼれてきて、思わずしゃがみこむ。
｢僕は2人とも大切なの。それすら、伝わってなかった？それなら、ごめんね。｣
そう言いながら彼はしゃがんで私と目線を合わせる。
彼の思い、伝わってなかったんじゃない。
私が受け入れていなかったのだ。
『ごめん、なさ、い、』
｢環境が変わったのに体が追いついてないんだよ。｣
｢とりあえず今は休んで、病院に行った時に先生に相談しようか。｣
『うん』
はっきりと頷いて、彼が抱いている娘の頭を撫でた。
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作者名：Karen | 作成日時：2020年4月4日 2時
